通信制大学はやめた方がいいと言われる理由は?後悔しないために知っておきたい選び方
ほとんど通学することなく大学卒業を目指せるため、社会人の学び直しなどでも注目を集めている通信制大学。通信制ならではの魅力がある一方で、「やめたほうが良い」と言われることもあります。
本記事では、通信制大学はやめたほうが良いと言われる理由を解説した上で、社会人が入学するメリット、通信制大学がおすすめではない方、おすすめな方、通信制大学を卒業した方の体験談、通信制大学を選ぶポイントなどについてお伝えします。
通信制大学への入学を検討している方、やめたほうが良いと言われる理由や、自分が通信制大学に向いているのか知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
目次
通信制大学はやめた方がいいと言われる理由
「通信制大学はやめたほうが良い」と言われる理由はさまざまですが、主な理由として以下の5つが挙げられます。
- 大卒扱いにならないと誤解されているから
- 学べる内容のレベルが低いと思われているから
- 通学制大学よりも評価が低いと思われているから
- 卒業できず後悔している人が多いと思われているから
- 卒業しても大手企業には就職できないと言われているから
それぞれ詳しく解説します。
大卒にならないと誤解されているから
1つめの理由は、通信制大学を卒業しても大卒扱いにならないと誤解されているからです。
通信制大学を卒業すれば、学士の学位を取得でき大卒扱いとなります。もちろん履歴書に記載できる学歴になるため「大卒にならない」というのは大きな間違いです。
通信制大学は国から認可を受けたれっきとした教育機関であり、通学制大学と同等の評価を受けています。
「大卒にならないから通信制大学はやめたほうが良い」というのは誤った認識です。
学修内容のレベルが低いと思われているから
2つめの理由は、通信制大学の学修内容が低レベルだと思われているからです。
入学試験がなく、偏差値という概念がない通信制大学に対して「誰でも入れるから、学修内容のレベルも低いのだろう」という誤解を持たれることもあります。
しかし、実際には通学制大学と同等の教育が提供されており、卒業までに専門的なスキルや知識を身につけることが可能です。
通学制大学よりも評価が低いから
3つめの理由は、通信制大学は通学制大学よりも評価が低いと思われているからです。
例えば、同じ大学の通学課程と通信教育課程の卒業生では、後者の方が低い評価を受けてしまうことがあります。
先ほども記載したように、通信制大学には通学制大学のように入学時の学力試験がない場合が多く、偏差値という概念がないため、通学制大学よりも客観的な評価が低いと思われているようです。
しかし、実際には通信制大学でも通学制大学と同等の知識やスキルを身につけることができます。
より明確かつ客観的に身につけた知識やスキルについて証明したい方は、オープンバッジを発行している通信制大学を選ぶのも1つの手です。
オープンバッジについては「オープンバッジとは?種類や活用・取得方法を紹介」で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
卒業できず後悔している人もいるから
4つめの理由は、卒業できず後悔している方がいるからです。
通信制大学は基本的に自主学修で単位を取得するため、高い自己管理能力が求められます。通信制大学に入学後、単位取得が上手くいかずに退学してしまう方は少なくありません。
退学した人からすると、「自己管理が苦手な人は、単位取得や卒業が難しい通信制大学には向いていない」というのが本質的な理由と言えます。
明確な目的を持つ方や、モチベーションを維持できる方、あるいは自己管理やスケジュール管理が得意な方であれば、通信制大学でも問題なく卒業を目指せるでしょう。
大手企業に就職できないと言われているから
5つめの理由は、通信制大学を卒業しても大手企業には就職できないと言われているからです。
実際のところ、通学制でも通信制でも大学を卒業すれば学歴は大卒となるのは変わりません。そのため、個人が持つスキルや知識が企業と一致し、面接でしっかり自己PRができれば、両者に大きな差はないと言えるでしょう。
通信制大学を卒業後して大手企業を目指す場合には、通信制大学を選んだ理由や自己管理の方法などをきちんとアピールできるよう準備することが重要です。
大手企業への就職は、学歴だけでは決まるものではありません。
通信制大学の卒業者であっても大手企業に就職している人はいるため、「大手企業に就職できないから通信制大学はやめたほうが良い」とは一概には言えないでしょう。
社会人が通信制大学に入学するメリット
社会人が通信制大学に入学するなら、以下のようなメリットがあります。
- 仕事を続けながら大卒や資格取得を目指せる
- 自分の都合に合わせて学修を進められる
- 通学制大学よりも学費を抑えられる
- 学力試験なしで入学できるため入試対策がいらない
それぞれ詳しく解説します。
仕事を続けながら大卒を目指せる
社会人が通信制大学に入学する大きなメリットとして、仕事を続けながら大学で学べることが挙げられます。大卒や資格取得を目指す社会人にとって、仕事を休んだり、辞めたりしなくても良いのは魅力的でしょう。
通信制大学は通勤時間や休日、仕事後の夕方〜夜の空き時間などで学修を進められるため、社会人の方におすすめの学びの場と言えます。
自分の都合に合わせて学修できる
オンデマンド授業をおこなう通信制大学では、時間や場所の制限がないため、自分の都合に合わせて学修できます。
オンデマンド授業とは、あらかじめ収録した動画などをいつでも視聴できる形式のオンライン授業で、リアルタイムで配信されるライブ授業よりも時間と場所に制限されないのが特徴です。
仕事をしながら大学を卒業したい社会人にとって、自分の都合に合わせて好きな時間と場所で学修できるのは大きなメリットです。
学費を抑えられる
通信制大学の場合、通学制大学よりも学費を抑えられるメリットがあります。
大学の種類によって4年間でかかる一般的な学費は以下の通りです。
大学の種類 | 一般的な学費 |
---|---|
国公立大学 | 242~253万円 |
私立大学 | 410~540万円 |
通信制大学 | 51~465万円 |
大学や学科、スクーリングの有無、教材によって費用は変わるものの、一般的には通信制大学の学費は通学制の大学よりも低く設定されています。
社会人にとっては収入があるとはいえ、学費を抑えられるのは大きなメリットでしょう。
また、社会人でも利用できる奨学金や支援制度があるため、事前に確認しておくと経済的な負担を軽減できます。
社会人が受けられる経済的な支援については「社会人が利用可能な奨学金とは?おすすめの奨学金や給付金制度を紹介」で詳しく紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
学力試験なしで入学できる
通信制大学の多くは、入試で学力試験を設けていません。書類選考や面接のみで入学できる場合がほとんどです。
通学制大学へ入学する場合、入試に向けて勉強したりスケジュールを調整したりする必要があります。しかし、通信制大学は学力試験がないので事前の勉強なども必要ありません。
忙しい社会人にとって、学力試験のために時間を費やさなくて良いのはメリットと言えるでしょう。
通信制大学への入学がおすすめできない人
通信制大学にはメリットがありますが、以下のような特徴に当てはまる方にはおすすめできません。
- 勉強への意欲が低く、自ら積極的に学ぶ姿勢がない
- スケジュールや進捗などの自己管理が苦手
- 何となく大卒資格が欲しいだけで学びに対する具体的な目標はない
それぞれ詳しく解説します。もし当てはまるなら、通信制大学への入学はよく検討したほうが良いでしょう。
勉強への意欲が低い
勉強への意欲が低く積極的に学修する姿勢がない方は、通信制大学で学修するのは難しいかもしれません。
通信制大学は基本的にオンライン授業や課題提出によって単位を取得します。そのため、自主的に学修を進める必要があります。
通学制大学では出席が重視されることもありますが、通信制大学では課題や試験などが重要で、勉強していなければ単位を取得するのは難しいでしょう。
自己管理が苦手
自己管理が苦手という方も、通信制大学は不向きといえます。
自主学修が中心の通信制大学は、単位取得に向けて自分で計画を立て、スケジュールを管理する必要があります。
また、通信制大学で学ぶには、仕事やプライベートの予定に加えて学修時間も管理する必要があるため、自己管理能力は欠かせないスキルの1つです。
自己管理が苦手な方は、学修進捗を管理してくれるようなサポート制度のある通信制大学を選ぶのがおすすめです。
具体的な目標がない
何となく大卒資格が欲しいだけで、学びに対して具体的な目標や目的がない方は、通信制大学を卒業するのは難しいかもしれません。
通信制大学は自ら学ぶ姿勢が重要であるため、学びに対する意欲がなければ続けることは難しいでしょう。
大卒資格が欲しいだけでは、モチベーションを維持しづらく、単位取得が難しくなる可能性があります。
通信制大学にもさまざまな学部や学科があるため、興味のある分野を学べる大学を選ぶことでモチベーションを維持しやすくなるでしょう。
また、大卒資格の取得だけでなく、資格取得や専門分野の習得など、具体的な目標をもつことも大切です。就職を目指す場合も、IT系、芸術系、経営系など、自分のキャリアプランに合った大学を選ぶと良いでしょう。
大卒資格の取得以外にも、具体的な目標や目的をもつことが通信制大学で学び続けるための鍵となります。
通信制大学への入学がおすすめな人
通信制大学に向いていない方がいる一方で、以下のような特徴に当てはまる方は通信制大学がおすすめです。
- 大学で学ぶ目的や目標が具体的かつ明確
- スケジュール管理や自己管理が得意
- 自宅で過ごす時間が多くても苦にならない
それぞれ詳しく解説します。自分が通信制大学に向いているかを確認してみましょう。
学ぶ目的や目標が明確
通信制大学で学ぶ目的や目標が具体的かつ明確であれば、入学してから後悔する可能性は低いでしょう。
例えば、教員免許を取って先生になりたい、特定の専門スキルを身につけて希望する職に就きたいなど、具体的な目標や目的があれば、それが学修のモチベーションとなります。
なぜ通信制大学に入りたいのか、何を学び、その先に何を求めているのかが明確であれば、後悔せずに自分の目標に向かって学びを進めることができるでしょう。
自己管理が得意
スケジュール管理や自己管理が得意な方は、通信制大学でも問題なく単位取得ができるでしょう。
自ら進んで講義を受け、課題を進めて計画的に単位を取得できれば通信制大学を卒業することは決して難しくありません。
通信制大学への入学を考えている方は、今までに自分が計画的に活動できたことがあるか、日頃からスケジュール管理や自己管理ができているか、今一度考えてみてください。
自宅での勉強が苦にならない
通信制大学では多くの時間を自宅での勉強に費やす必要があります。カフェや図書館で勉強することも可能ですが、自宅での学修時間が圧倒的に多くなるでしょう。
自宅で勉強すること、また自宅で長時間過ごすことが苦にならないのであれば、通信制大学での勉強も問題なく進められます。
これまでに自宅学修で資格を取得した経験がある方や、普段から自宅で試験勉強をする方は、通信制大学の学修スタイルにも適応しやすいでしょう。
通信制大学を卒業した人の体験談
ここでは、通信制大学を実際に卒業できた方の体験談を紹介します。
「好きなときに一人で勉強したかったので通信教育課程を選びました。人付き合いが面倒な人は、黙々と勉強して卒業できます。色々な学習方法があるのが通信の良いところです。貴重な学習や体験の後、引き続き大学院で研究を続けています。」(慶應義塾大学 文学部卒)
「移動などのスキマ時間を活用して受講を進められるオンデマンド型授業のおかげで、学習を継続できました。仕事にどう応用していくかに焦点を当て、興味がある分野の講義を積極的に選択することで学習意欲を維持できたと思います。」(サイバー大学 IT総合学部卒)
「もともと私立学校で世界史の教員をしており、地理や政治・経済を教える機会もありましたが、専門科目である世界史以上に深い話ができませんでした。そんな中で法政大学通信教育部の存在を知り、授業の充実のために経済を学びました。毎日10分でも大学の学習に触れ、毎回の単位修得試験では1科目ずつ受験しました。それに合わせて計画的にレポートや学習を進めたことで、上手く学修を進められたと思います。」(法政大学 経済学部卒)
通信制大学の卒業生は、明確な理由や目標を持って入学していることがわかります。また、個々に興味のある分野を選んで学修することでモチベーションを維持していたようです。
通信制大学を選ぶ際、ぜひ様々な大学の通信教育課程のホームページ等に載っている卒業生の声を参考にしてみてください。
通信制大学の選び方のポイント
通信制大学を選ぶときは、以下のポイントに注目しましょう。
- スクーリングの有無や回数
- 学修や就職に関するサポート体制
- 授業形態がオンデマンドかライブか
それぞれ詳しく解説します。
スクーリング
通信制大学を選ぶときは、スクーリングの回数を必ず確認しましょう。
通信制大学には、完全オンラインでスクーリングが不要な大学、複数回のスクーリングが必須の大学、任意でスクーリングに参加できる大学などがあります。
完全オンラインの通信制大学を卒業したい方は、大学を選ぶ際にスクーリングがないことを確認しておくと良いでしょう。
サポート体制
通信制大学は大学ごとにさまざまなサポート体制を用意しています。
単位修得のための学修サポート、就職に関するキャリアサポートなど、サポート体制は大学によって異なります。
通信制大学は自主学修が中心となるため、サポート体制の充実が重要です。サポート体制が充実しているほど、学修に対するモチベーションを維持しやすくなるでしょう。
授業形態
通信制大学の授業形態には、主にオンデマンド授業とライブ授業の2つがあります。
オンデマンド授業とは、あらかじめ収録された授業動画を学生が好きな時間と場所で視聴する授業です。
一方でライブ授業とは、リアルタイムに配信される映像を学生が視聴する授業です。
オンデマンド授業は個人の好きな時間と場所で視聴できますが、ライブ授業は時間が決まっているため授業に合わせてスケジュールを調整する必要があります。
オンライン授業の形態については「オンデマンド授業」で詳しく解説しています。
さらに詳しく通信制大学の選び方を知りたい方は、「通信制大学の選び方!7つのポイントから自分に合う通信制大学に行こう」をチェックしてください。
通信制大学に迷ったら、開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)
開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)は、完全オンラインで卒業可能な通信教育課程の学部です。一度も通学せずに、「学士(情報学)」の取得が可能です。
授業は1回15分の動画視聴のため、好きな時間に好きな場所で学修を進めることができ、自宅にいながら、社会で必要とされる最先端のIT・デジタルスキルを身につけることができます。
通信制大学と聞くと、自分一人で勉強を進めなければならず、卒業ができるか心配という方もいるかもしれませんが、情報デザイン学部(仮称・設置構想中)ではサポート体制が充実しているため安心です。オンラインでの学びが初めての方には入学前に学びの進め方のサポートがあることや、数学が苦手な方には、ICT学習教材の「すらら」を使用し、授業開始前に数学のサポート講義が行われるなど、文系の方も安心できるサポートが整っています。
また、教員やアドバイザーが学生一人ひとりの学修の進捗状況を把握し、学修が遅れている学生には個別で連絡を取ります。また、質問がある際はチャット形式でいつでも質問ができ、原則24時間以内に回答があるなど、困ったことがあればすぐに質問ができるなど、卒業までのサポート体制が充実しています。
通信制大学への入学を迷われている方は、ぜひ開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)をご検討ください!
まとめ
「やめたほうが良い」と言われてしまうこともある通信制大学。
通信制大学を卒業しても大卒扱いにならない、通信制大学は世間的な評価が低いといった誤解があるほか、学修の進捗や自己管理が難しく退学してしまうことも、通信制大学が「やめたほうが良い」と言われる理由です。
一方、社会人が通信制大学で学修することにはさまざまなメリットがあります。仕事を続けながら学べ、学費を抑えられるなど、魅力的なポイントがあることを忘れてはいけません。
勉強への意欲があり、学修に対する明確な目的を持ち、自己管理が得意で自宅での勉強が苦にならない方にとっては、通信制大学に入学しても後悔することは少ないでしょう。
通信教育課程を持つ大学の多くはHPに卒業生の声を掲載しているため、入学を検討している方は一度目を通してみることをおすすめします。
通信制大学を選ぶ際はスクーリングの有無、サポート体制、授業形態を必ず確認しましょう。
本記事を参考に、自分に合った通信制大学を選び、納得のいく進路を歩みましょう!