メンターとは?役割や効果、実施する際のポイントなどを徹底解説!
従業員の育成方法のうち、代表的な方法として挙げられる「メンター制度」や「メンタリング」。
実際にメンター制度で育成を受けた方や、メンターという立場に抜擢されたという方もいるのではないでしょうか?
本記事では、メンターとは何か、メンターの役割、必要性、混同しがちな用語、効果とメリット、メンター育成に必要なこと、メンタリング実施のポイントについてなどをそれぞれ解説します。
メンター制度を検討している企業の担当者、メンターを任された方、メンタリングで自身の成長を図りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
メンター(メンター制度/メンタリング)とは?
メンターとは、新人や若手のサポートをする先輩のことを指します。一般的には、入社から3年以上経過している従業員が任されることの多いポジションです。また、メンターに助言や指導をしてもらう新人や若手のことをメンティーと言います。
担当する後輩に対して助言や指導をしつつ、個人の成長やメンタルのサポートをおこないます。
メンターは悩みや不安についての相談がしやすいという理由で、他部署など少し離れたところに所属する、比較的年齢の近い先輩社員が選ばれます。
メンターの役割とは?
メンターが実際に担う役割には、以下のようなことが挙げられます。
- メンティーの目標を具体化・明確化させる
- メンティーの仕事を管理・指導する
- メンティーのメンタル面のサポートをする
- 問題や課題を解決できるように助言する
それぞれ詳しく解説します。
目標の具体化と明確化
メンティーが中・長期的に目指すキャリアについて具体的かつ明確に、目標を設定します。
理想の将来の実現のために必要な行動について話し、コミュニケーションを通じてメンティーに気づきを与えるのがメンターの大きな役割です。
あくまでメンティーが自発的に気づき、行動に移すことを促すことが役割であり、強制しないことが重要である点に注意しましょう。
仕事の管理と指導
メンターは、メンティーの仕事について管理と指導をおこないます。
目標達成への進捗や管理方法について気を配り、必要に応じて指導や支援をしましょう。
ただし、自主性を育てることが重要なメンター制度では、あれもこれもメンターが手を出すのは望ましくありません。基本的にはメンティー自身で行動し、失敗や問題についてはメンターが全面的にサポートするという姿勢でいることが大切です。
メンタルサポート
メンターには、仕事面はもちろん、私生活などのプライベートな相談も寄せられます。メンティーのメンタルサポートもメンターの役割であるため、真摯に向き合いましょう。
直属の上司には言いづらいこと、メンティーの持つ素質やスキル、理想のキャリア、ライフプランなどに合わせてアドバイスやサポートをおこない、メンタル面のサポートにも気を配ります。
問題や課題への助言
メンティーの仕事において問題や課題が発生した際、メンターは直接解決のために手を出すのではなく助言やサポートをおこないます。
メンティーの成長のため、すべてメンターがやるのではなく「こうすれば解決できる」「こう考えてみてはどうか」など、ヒントや道しるべを与えるイメージでサポートをしましょう。
また、人間関係でのトラブルなどには第三者として間に入り、中立的な立場で客観的に助言やサポートをします。
メンター制度の必要性とは?
働き方や価値観の多様化により、従業員同士のコミュニケーションが希薄になりつつある現代において、メンター制度の必要性が見直されています。
メンター制度を取り入れることで、新人や若手が先輩からのフォローを受けやすくなったり、相談できる場所や相手を確保できたりするというメリットがあるためです。
社内コミュニケーションの活性化により、早期離職率の低減にも繋がるという企業目線のメリットもあります。
メンターと混同しやすい言葉
メンター制度、メンタリングと混同されやすい言葉に、「チューター」「OJT」「コーチング」があります。
それぞれの意味を正しく理解し、間違って使わないように気を付けましょう。
1:OJT
OJTとは、On the Job Trainingの略で、新人や若手に対して実際の業務を通して知識やスキルを教えていく育成方法です。
OJTでは新人や若手に実践力をつけることが目的であるため、同部署の先輩や上司が指導にあたります。
メンター制度では業務の指導はおこなわないため、OJTとは内容が異なります。
2:チューター
チューターとは、「個別指導スタッフ」「アドバイザー」「教授の助手」などの意味でも利用される言葉であり、ビジネス用語ではないという点が特徴です。
チューターとはOJTで指導をおこなう担当者のことを指し、OJTのことを「チューター制度」と呼ぶこともあります。
3:コーチング
コーチングとは、業務経験者や経営者に対して目標達成に向けたサポートをおこなうことを言います。
サポート期間が短いこと、ビジネスにおけるプロジェクトの専門分野と主体的な行動を促す役割を持つことが特徴です。
コーチングでは専門分野のみをサポートすること、目標達成までの短期間でパートナー関係を組むことなどの点で、メンター制度とは異なります。
メンター制度に期待される効果・メリット
メンター制度に期待される効果とメリットには、以下のようなものが挙げられます。
- 働きやすい環境を作ることで新人や若手が早期離職することを予防できる
- 主体性のある人材を社内で育成できる
- メンター自身が後輩への指導やサポートを通して成長できる
それぞれ詳しく解説します。
早期離職の防止
メンター制度では新人や若手の精神的なサポートができるため、早期離職防止などの効果が期待できます。
仕事のやり方、人間関係、私生活などの相談ができるメンター制度があれば、新人や若手が抱えるストレスを和らげることができ、離職率が低下するでしょう。
自発的に動ける人材の育成
メンター制度で自主性を育むことができれば、自発的に動ける人材を社内で育成できるというメリットがあります。
自発的に動き、目標達成に向けて動ける人材はあらゆる場面で活躍してくれるでしょう。
メンター制度ではメンティー自身が課題や問題に気づき、解決、改善していくトレーニングができるため、自立した人材の育成に期待できます。
メンター自身の成長に繋がる
メンター制度でメンターを担当した従業員は、後輩への指導やサポートを通して成長する機会を得られます。
自分自身が後輩にとって見本であることを自覚し、行動に責任感を持つことができ、問題解決のサポートなどによってマネジメントスキルなども身につけられるでしょう。
メンター制度では、メンティーの育成だけではなくメンター自身も成長できるという大きなメリットがあります。
メンターの育成に必要なことは?
ここでは、メンター自身を育成するときに知っておきたい資格やスキル・能力について解説します。
メンターを任された方や、メンターの育成について理解を深めたい方は必ずチェックしてください。
1:メンターに必要な資格
メンターになるために必要な資格はありません。
ただし、「キャリアカウンセラー」など、カウンセリングやキャリア関連の資格を持っているとより専門的なサポートができるでしょう。
また、コミュニケーション関連の資格もあると役立つかもしれません。
2:メンターに必要なスキル・能力
メンターに必要なスキルや能力は、以下の4つです。
- 業務に関する理解と経験
- コミュニケーション能力
- 守秘義務の意識
- 人材育成への意欲
いずれも専門分野に関わるものではないため、ある程度の期間会社に在籍して真面目に働いている従業員であれば、ほとんどの場合メンターとして力を発揮できるでしょう。
また以下のような素質や特徴があると、よりメンター向きと言えます。
- 温厚な性格
- 倫理観がある
- 業務上の利害関係がない
メンタリングを実施する際のポイント
メンタリングを実施する際は、以下の3つのポイントをおさえておきましょう。
- 命令や説教などメンティーが委縮してしまうようなことはしない
- 一人ひとり違いがあることを理解する
- メンティーとの会話を他言しない
それぞれ詳しく解説します。
メンティーを委縮させない
メンタリングの中で、つい命令や説教をしてしまうメンターがいますが、これらはメンタリングにおけるNG行為です。
メンティーを委縮させてしまうと、相談に乗るというメンターの役割が果たせなくなってしまうことが予想されるためです。
メンタリングでは「傾聴・質問・承認」が重要であり、否定や命令、説教といった高圧的な態度はとらないようにしてください。
また、雑談で終わらせず「なぜそう思うのか」「どうなれば理想的か」などの質問を通してメンティー自身に問題や課題に気づいてもらいましょう。
人には違いがあることを理解する
理解度や成長スピードは、人によって異なります。
メンターは忍耐強く見守る意識を持ち、決して焦らずメンティーの成長をサポートし続けましょう。
メンティーとの会話を他言しない
メンタリングを通して得た情報や会話については、他言しないことが鉄則です。
メンティーが抱える悩みや不調を「この人(メンター)になら」と打ち明けてくれたにもかかわらず、それが他の従業員や部署内で知られてしまえば二度と信用を得られないでしょう。
信頼関係が崩れるだけでなく、最悪の場合メンティーが離職してしまう可能性もあります。
上司に相談が必要な場合などでも、必ずメンティー本人から承諾を得てから報告や相談に踏み切りましょう。
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開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)は、2026年4月開設予定の完全オンラインで学べる学部です。一度も通学することなく、卒業時には大学卒業の証である「学士(情報学)」の取得が可能です。
情報デザイン学部(仮称・設置構想中)では、PBL演習という特徴的な授業が設けられています。
PBLとは、プロジェクトを基盤とした学習のことを指し、この演習ではチームを組んでプロジェクトを進めていきます。
また、PBL演習では、さまざまな業種の企業と連携し、実際のビジネス現場での課題を扱い、その解決を目指していく過程で、「課題発見力」「実践力」「課題解決力」「思考力」「応用力」「表現力」を身につけます。
プロジェクトを進めるうえで、チームでディスカッションをおこないますが、対面ではなくオンラインのため、どのように伝えれば、自分の考えがしっかり伝わるか。また、相手が言っていることについて、どのような意図でこう言っているのか。等、細かなニュアンスのくみ取りも必要になってきます。
メンターになると、メンティーが「大丈夫です。」と言っていても、実際は悩みを抱えている場合もあるため、話していることを鵜呑みにするのではなく、言葉の裏側の真意までくみ取る力が重要になってきます。
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少しでもご興味のある方は、ぜひWebサイトをチェックしてみてください。
まとめ
新人や若手の育成方法として代表的な「メンター制度(メンタリング)」。
指導者をメンター、指導を受ける側をメンティーと呼び、業務の直接指導を除くさまざまなサポートをおこないながら成長を促す育成方法です。
メンターはメンティーの中・長期的な目標を具体化・明確化し、仕事の管理・指導、メンタルサポート、問題や課題の解決について助言などをおこないます。
メンター制度には、早期離職の防止、自発的に動ける人材の育成、メンター自身の成長が期待できるといったメリットがあるため必要であると考える企業は多いです。
メンターを育成する際は、必要なスキルや能力を踏まえて人選をおこなってください。より適性のある人材をメンターにすることで、新人や若手がより優秀に育つことが期待できます。
またメンタリングを実施する際は、メンティーを委縮させないこと、人には違いがあることを理解すること、メンティーとの会話を他言しないことの3つを必ず守りましょう。どれも信頼関係において重要な項目であることを忘れないでください。
適切なメンタリングを導入することで新人や若手を優秀な人材に育成しましょう!