Python入門編!初心者が覚えるべき基本操作を徹底解説!
プログラミングを学ぶ際、Python(パイソン)を選ぶ方は少なくありません。
本記事では、Python入門編としてPythonとは何か、入門準備、基本操作、注意点についてそれぞれ解説します。
これからPythonを学ぼうと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
Pythonとは?
Pythonとは、プログラム言語の中でも多くのシステム開発が可能な言語の1つです。
Pythonでできることの代表例には、以下のようなものが挙げられます。
- AI(機械学習・人工知能)開発
- データ分析
- Webサイト開発
- Webアプリ開発
- ゲーム開発
- 単純作業の自動化
- データベース操作
- 画像処理
特に、最近注目されているAIの基礎も基本的にはPythonで構築されています。今後の需要の高まりが期待できる言語でもあるため、習得すればさまざまな仕事で活躍できるプログラマーになれるでしょう。
また、コード(※)がシンプルでわかりやすいこともPythonの特徴です。理解しやすいため、プログラミング初心者にもおすすめできます。
Pythonでできることについては、「Pythonできること」で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
※コード:プログラミングにおいてコンピューターに指示(命令)するための記述のこと
Python初心者がするべき入門準備
Pythonの入門準備として、以下のことをそれぞれやっていきましょう。
- 最終的な目標や目的を明確にする
- WebサイトやYouTubeなどから自分に合った学習方法を探す
- プログラミング学習に使えるPCを用意する
- Pythonの環境をPCにインストールする
- Pythonの動作チェックをおこなう
それぞれ詳しく解説します。ぜひ読みながら準備を進めてください。
目標や目的の設定
まずはPythonを学習するにあたって、最終的な目標や目的を明確にします。
明確な目標や目的があれば学習のモチベーションを維持しやすくなり、頑張る理由になります。
例えば「プログラマーとして仕事を取りたい」「AI開発について理解を深めたい」など、学習の目標や目的を具体的にしておくことが大切です。
自分に合った学習方法を探す
Pythonを学ぶにあたって、自分に合った学習方法を探すことも大切な準備です。
最近ではプログラミングを学べるツールがどんどん増えてきているので、自分に合った学習方法を見つけて取り組むのがおすすめです。
主な学習方法には、以下のようなものがあります。
- 通信制大学に通う
- プログラミングスクールに通う
- テキストを購入して勉強する
- YouTubeの解説動画を視聴する
- Webサイトで勉強する
- 知り合いの有識者に教えてもらう
学校で学ぶことは効率的かつ確実で、モチベーションも維持しやすいというメリットがある反面、費用がかかるというデメリットがあります。
書籍購入やYouTubeの解説動画視聴、Webサイトでの勉強は費用がかからない、もしくは抑えられる反面、質問できる相手が質問したい時にいないのがデメリットです。
もし身内や知り合いに有識者がいれば、教えてもらえるとベストですが、社会人相手に時間や手間を取らせることに抵抗がある方もいるうえ、スケジュールをお互いに合わせて学習を進めるのも難しいかもしれません。
最後まで学習をやり遂げられるように、自分に合った学習方法を選びましょう。
PCを用意
プログラミング学習の準備として、PCを用意してください。
タブレットとキーボードでもプログラミングは不可能ではありませんが、PCがあれば作業がスムーズでストレスも少なくなります。
最終的に仕事に活かしたいという方なら、初期投資としてPCを用意することをおすすめします。
用意するPCはMacでもWindowsでも構いません。既にPCを持っている方は、そのままでもOKです。
Pythonの環境をPCにインストール
用意したPCにPythonの環境をインストールします。
プログラミングにおける「環境」とは、プログラムを組んだり実行したりするために必要なハードウェアと、パソコン内に導入するソフトウェアのことを指します。
Pythonは、Pythonの環境がなければ実行ができません。そのため、学習の準備としてPythonのインストールが必須です。
Pythonをインストールすると、IDLE(アイドル)というプログラムの入力用ソフトが付いてくるので、活用していきましょう。
ちなみにPythonは、IDLE(アイドル)、Windowsのコマンドプロンプト、Macのターミナルからそれぞれ実行可能です。
Pythonの動作チェック
Pythonのインストール後は、動作チェックをおこないます。
Windowsはコマンドプロンプト、Macはターミナルを開き、1行目に「python3 –version」と記述してみましょう。対話として「Python 3.9.○○」と表示されれば動作確認完了です。○○の部分には、インストールしたPython3.9のバージョンが表示されます。
もしエラーが出た場合は、一度Pythonをアンインストールしてから再インストールしてください。
初心者が覚えるべきPythonの基本的な操作
Python入門レベルの初心者が、最初に覚えるべき基本的な操作について紹介します。
ここでは、以下の操作について紹介、解説します。それぞれ実際に記述したり実行したりしてみてください。
- Pythonプログラムの作成~実行
- 変数とデータ型
- 関数とモジュール
- リストとタプル
- 文字列操作
- ファイルの入力と出力
- 例外処理
- 条件式と分岐
- 辞書
- 繰り返し処理
Pythonプログラムの作成~実行
Pythonのインストールを終えたら、プログラムの作成、保存、実行をしてみましょう。
プログラムの作成
テキストエディタ(※)を開いたら、Pythonのコードを書きます。例えば、有名な「Hello, World!」を作成する場合を考えてみましょう。
今回は、簡単に開発環境が整えられるGoogle Colaboratoryを用いてプログラムの作成〜実行をおこないます。Google Colaboratoryは記述と結果を同一の画面内で確認できるテキストエディタです。初心者向けなので、使ってみてください。
テキストエディタで新しいファイルを新規作成し、1行目に「print(“Hello, World!”)」と入力してみてください。
※テキストエディタ:文字情報だけのファイル(=テキストファイル)を作成、編集、保存できるソフトのこと
プログラムの保存
続いて、プログラムをPythonファイルとして保存します。ファイルの名称は「sample」としておきましょう。Pythonファイルの拡張子は、「.py」です。
保存場所は自分がわかる場所を指定してください。デスクトップなど、すぐに見つけられる場所に置いてもOKです。
プログラムの実行
最後に、保存したPythonファイルを実行してみましょう。ここでは、デスクトップに保存した場合の記述を解説します。
コマンドプロンプト(Windows)かターミナル(Mac)を開き、1行目に「cd Desktop」2行目に先ほど作成したファイル名称をpythonの後ろにつけて、「python sample.py」と入力してみてください。
(「python ○○.py」のように○にファイル名称を入力する)
例)
cd Desktop
python sample.py
これで「Hello, World!」というメッセージが表示されれば、実行は成功です。
変数とデータ型
変数とは、データを入れておく箱のようなもので、この変数にデータを入れることを代入といいます。Pythonなら、文字に対する値(データ)を代入すれば自動的に変数を生成することができます。
例)
ここでは、xに5、yに6を代入しています。zには(x+y)が代入されるよう設定しているので、実行すると計算の答えである「11」が表示されました。
このように、Pythonでは自動的に変数を生成することが可能です。
Pythonではデータ型と呼ばれるものがあり、以下のようなデータ型が主に使われます。
- 整数(int)
- 浮動小数点数(float)
- 文字列(str)
- リスト(list)
- タプル(tuple)
- 辞書(dictionary)
- ブール(bool)
関数とモジュール
関数とは、複数の処理をまとめたものです。同じ処理を何度も使う場合には、関数を使うことで1つ1つコードを書く手間が省けます。
またモジュールは、Pythonのプログラムを機能ごとに分け、使いたいときに取り込んで使う仕組みのことです。
ここでは、まず「greet(name)」で「Hello,(name)!」と表示するように指示した後、実際に「Hana」という名前を代入して使った文章を記述しています。
大規模なプログラムを管理しやすくするために、モジュールを活用するシーンはたくさんあります。
関数とモジュールを覚えておくと、同じ動作を繰り返したり大規模なプログラムを管理したりしたい時に1から作り直す必要がないため便利です。
リスト
リストとは、複数の値を順番に並べ保存するデータ型です。
Pythonでは、リストが変更可能であるため作成したあとに要素を追加・削除することができます。
ここでは、東京、大阪、名古屋を「a」としてまとめたリストを表示した例を見てみましょう。
このようにaを東京、大阪、名古屋とする条件を入力した後に、aを出力する指示を出したところ、しっかりと「東京、大阪、名古屋」が出力されました。
文字列操作
文字列操作とは、Pythonにおいて文字列(=文字の並び)を簡単に操作することです。文字列の加工、結合、特定の部分の取り出しができます。
①文字列の結合
②文字列の繰り返し
他にも、文字列をまとめたり、特定の部分を削ったりしたいときも、Pythonでの操作ができることを覚えておきましょう。
ファイルの入力と出力
Pythonでは、既存のファイルからデータを読み込んだり書き込んだりすることができます。これをファイルの入力、出力と言います。
「open()」でファイルを開き、「read()」や「write()」でファイルを読み込んだり内容を書き込んだりすることが可能です。
例外処理
Pythonでは、思わぬエラーによる突然のクラッシュ(データが故障すること)を回避するために例外処理が備わっています。
エラーが発生する可能性があると考えられる、0での割り算やインデックスへのアクセスは、例外処理の枠組みである(try-except)で実行しましょう。
上記のコードでエラーが発生した場合、ブロック(コードのまとまり)が実行されてエラーメッセージが表示されます。また、xには0が代入されて処理されます。
条件式と分岐
プログラムは、基本的に条件式と分岐によって制御されます。
特定の条件が満たされると特定の処理をおこない(条件式)、満たされなければ別の処理をおこないます(分岐)。
例では、数値が偶数か奇数かを判定します。ifの後のにくる条件式がTrueであるかどうかを判定するという形になっており、条件式が真(True)ならifブロック内のコード、偽(false)ならelseブロック内のコードがそれぞれ実行されます。
今回の例では、num(番号、数値)が10の時、2で割って余りが0と等しくなる場合「偶数」と出力、そうでなければ「奇数」と出力するという指示だったため、「偶数」と出力されています。
辞書
Pythonの辞書とは、キー(key)と値(value)のペアによってデータを保存するデータ構造です。
辞書は波括弧({})で作成でき、キーと値のペアはキー:値としてコードを記述します。
例では、name、age、courseがキー、それに対応する値がそれぞれ設定されています。
辞書から情報を取得する場合、後半部分のようにprint(student[“name”])と指定することで値を引き出すことができます。
繰り返し処理
繰り返し処理とは、一連のタスクを何度も実行する機能です。繰り返し処理は、主にforとwhileのどちらかでおこなわれます。
forループは特定の回数だけ繰り返す場合に使います。
ここでは、リスト内の単語を1つずつ順に取り出す処理を命令しています。すべての文字列を取り出した時点で完了しました。
一方、whileループは特定の条件を満たしている間のみ指定の処理を繰り返す場合に使います。
この場合、numが2より小さい場合のみ繰り返し処理をおこなうという命令なので、numが1となった時点でEndが表示されて実行が完了します。
繰り返し処理は何かと役立つので、早めに習得しましょう。
Python入門に関する注意点・ポイント
初心者のPython入門には、3つの注意点があります。
- Pythonにも苦手な開発分野がある
- インデントがズレるだけでエラーが起きる「Indentation Error」に注意
- Pythonは実行速度が遅いため工夫が必要
それぞれ詳しく解説します。
Pythonにも苦手な開発分野がある
Pythonは幅広い分野を得意とするプログラミング言語です。しかし、Pythonにも苦手な開発分野があります。
得意な開発分野 | 苦手な開発分野 |
---|---|
シンプルなゲーム開発 AI開発 Webアプリ開発 Webサイト制作 データ収集 データ分析 ブロックチェーン | 大規模なゲーム開発 スマホアプリ開発 金融システム 基幹システム デスクトップアプリケーション開発 Webデザイン |
自分がやりたいことにPythonが適しているのか、きちんと把握しておきましょう。
「Indentation Error」に注意
Pythonでのコード記述では、インデント(字下げ)がズレるだけで「Indentation Error」というエラーが発生してしまいます。
予期しないインデントがあるというエラー表示であり、if や for といった文中によく見られます。
Pythonでコードを記述するときは、インデントがズレないように注意しましょう。また、エラーが出たときはどこのインデントがズレているのか探せば、すぐに解決できます。
Pythonは実行速度が遅い
Pythonは実行速度が遅いため、GPU(画像処理装置)を使用するライブラリ導入(※)や同時に複数のタスクを実行する際の速度を速める工夫が必要です。
また、スペックの高いPCを使うことで実行速度の遅さをカバーできることもあるので、実行速度に不満を感じる場合は検討してください。
※ライブラリ:GPU(画像処理装置)を使用するときに使われる関数やパッケージをまとめたもの
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まとめ
Pythonとは、AIやWebサイト開発、アプリ開発などさまざまなシステム開発に使われる汎用性の高いプログラミング言語です。
そんなPythonを学ぶなら、最初に目的を明確にしたうえで勉強方法をきちんと調べましょう。実際に学び始めるには、PCやPython開発環境を用意することも必須です。
ただし、Pythonにも苦手分野があること、実行速度が遅いこと、「Indentation Error」と呼ばれるエラーが起きやすいことには注意が必要です。事前に注意点についても理解しておいてください。
また、初心者の方は本記事で紹介したPythonの基本操作を理解するところから始めることがおすすめです。自分の選んだ学習方法で、Pythonの基本操作を習得していきましょう。