ITパスポートの難易度は?合格率や必要な勉強時間について徹底解説
現代社会で求められるIT知識を証明する「ITパスポート試験」。この試験は、デジタル機器や情報に関する幅広い基礎知識が問われる国家試験の1つです。
本記事では、ITパスポート試験の概要、難易度、出題範囲について紹介し、試験に合格するために必要な勉強時間の目安についても解説します。
ITパスポート試験の受験を検討している方はもちろん、就職や転職で情報やデジタルに関する知識やスキルをアピールしたい方などは、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ITパスポート試験とは?

ITパスポート試験は、ITに関する知識全般の基礎を問う国家試験です。この試験はIT業界で働く方に限らず、デジタル化が進む現代社会において、すべての社会人が身につけておくべき知識を証明するものです。
ITパスポート試験はIT関連の国家資格の中で「ITを活用するすべての社会人」を対象としています。

出典:試験区分一覧 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
この試験に合格することで、あらゆる業種において一定のデジタルスキルや知識を証明でき、業務における円滑なコミュニケーションやデジタル機器の活用が可能になります。
ITパスポート試験の難易度

ITパスポート試験の難易度について、合格率と合格基準の2つから解説します。
ITパスポート試験の合格率
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の統計情報によると、平成23年度から令和5年度までのITパスポート試験の合格率は最低40.7%(平成23年度)、最高58.8%(令和2年度)、累計では51.0%となっています。
(参考:情報処理技術者試験 統計資料)
受験者の約半数が合格しており、難易度は決して高くないと言えるでしょう。
また、受験者は社会人だけでなく、小中学生から大学院生までと幅広い年齢層に及びます。
IT未経験の方、IT経験者、学生など、毎年さまざまな受験者が合格しています。
ITパスポート試験の合格基準
ITパスポート試験に合格するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 総合評価点が600点以上
- すべての分野別評価点が300点以上
例えば、総合評価点が600点以上でも分野別評価点のいずれかが300点未満の場合は不合格となります。
ITパスポート試験を含む、おすすめのIT系国家資格は「IT系国家資格おすすめ12選!難易度や合格率を分野別に解説」で紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
ITパスポート試験の概要

ITパスポート試験の概要は以下の通りです。
対象者 | ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生 |
受験資格 | 特になし |
試験日 | 随時 |
申込受付期間 | 随時(3か月先まで申し込み可能) |
申し込み方法 | オンライン受付(【ITパスポート試験】受験申込手順) |
試験会場 | 全国の指定会場 |
試験当日の持ち物 | ・確認票(印刷したもの)・受験番号・利用者ID・確認コード・顔写真付き本人確認書類(運転免許証など) |
試験時間 | 120分(遅刻による入室制限はないが、遅刻に応じた試験終了時刻の繰り下げは行わない) |
試験方法 | CBT方式 |
受験料 | ¥7,500 |
出題形式 | 四肢選択一式 |
出題分野 | ・ストラテジ系(32問)・マネジメント系(18問)・テクノロジ系(42問) |
ITパスポート試験は全国の指定会場で随時実施されており、受験者は事前にオンラインで申し込みをおこなうことで受験可能になります。
パソコンを使ったCBT方式で試験が実施され、受験には確認票(あるいは受験番号や利用者IDなど)、顔写真付き本人確認書類が必要です。
ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系からそれぞれ出題されるため、合格のためには幅広い分野において基礎知識を身につけておく必要があります。
ITパスポート試験の出題範囲

ITパスポート試験の出題分野は、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系の3分野です。
それぞれの出題範囲について紹介します。
ストラテジ系
ストラテジ系分野は、以下の範囲から出題されます。
企業と法務 | 企業活動 |
法務 | |
経営戦略 | 経営戦略マネジメント |
技術戦略マネジメント | |
ビジネスインダストリ | |
システム戦略 | システム戦略 |
システム企画 |
マネジメント系
マネジメント系は、以下の範囲から出題されます。
開発技術 | システム開発技術 |
ソフトウェア開発管理技術 | |
プロジェクトマネジメント | プロジェクトマネジメント |
サービスマネジメント | サービスマネジメント |
システム監査 |
テクノロジ系
テクノロジ系は、以下の範囲から出題されます。
基礎理論 | 基礎理論 |
アルゴリズムとプログラミング | |
コンピュータシステム | コンピュータ構成要素 |
システム構成要素 | |
ソフトウェア | |
ハードウェア | |
技術要素 | 情報デザイン |
情報メディア | |
データベース | |
ネットワーク | |
セキュリティ |
各分野の出題範囲の詳細は「ITパスポート試験要綱|IPA独立行政法人情報処理推進機構」をご確認ください。
ITパスポート試験の幅広い出題範囲をしっかり勉強するための方法は「ITパスポート試験のおすすめな勉強方法は?試験の解説やおすすめツールも紹介!」で解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
ITパスポート試験の合格に必要な勉強時間

ITパスポート試験に合格するには、平均して150時間ほどの勉強時間が必要です。1日1.5時間勉強すると3か月程度かかります。
ただし、勉強時間はITに関する個人の知識や経験の有無によって大きく変わるため、ここではIT初心者とITの基礎知識がある方に分けて、それぞれの勉強時間について解説します。
IT初心者の場合
ITの基礎からしっかり学ぶ必要があるため、180時間程度の勉強時間が必要です。
1日2時間勉強できれば、3か月程度で合格を目指せるでしょう。
IT初心者はIT用語の理解と暗記から始める必要がある分、長い勉強時間を確保しなければなりません。余裕のあるスケジュールで勉強に取り組みましょう。
ITの基礎知識がある場合
情報系の学校で勉強した経験や、IT業界での勤務経験がある方は、100時間ほどの勉強時間が目安となります。
1日2時間勉強できれば、1か月半程度で合格を目指せるでしょう。
既に理解している分野は簡単に復習し、苦手な分野を重点的に勉強するのがおすすめです。
ITパスポート試験のための勉強方法は「ITパスポート試験のおすすめな勉強方法は?試験の解説やおすすめツールも紹介!」で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
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さまざまなカリキュラムがある中で情報系の科目が多く用意されており、自分の興味のある科目を選択することができます。学びを進めていくと、ITパスポートの受験を目指せるレベルになります。ITパスポート試験は、IT系の試験の中でも比較的合格しやすい試験とはいえ、独学で勉強すると、専門用語などの修得が難しく、合格までの道のりが長くなってしまう可能性もあります。
ですが、情報系の大学で学ぶことにより、段階的に知識が身につき、用語の理解が深まります。
ITパスポート試験をはじめとしたIT系の資格を取得したいけれど独学では合格できるか不安な方や、勉強するなら同時に情報学の学士も取得したい方は、開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)への入学がおすすめです。
まとめ
ITを使うすべての人を対象とする「ITパスポート試験」。この試験は、最も基礎的なIT関連の国家資格であり、幅広い分野の基礎知識が問われます。
合格率は50%程度ですが、きちんと勉強すればIT初心者でも十分に合格を目指せます。
業界や業種を問わず、ITの知識を証明するITパスポート試験に合格して、デジタル社会に対応していきましょう!