通信制大学に偏差値はある？難易度の判断方法や選び方を紹介

通信制大学への入学を検討している方の中には、偏差値はどの程度なのか、または一般的な通学制の大学のように偏差値があるのかどうかについて知りたいと考える方もいるでしょう。

本記事では、通信制大学の偏差値について解説するとともに、判断方法や難易度の差、大学別の特徴、大学の選び方などについて解説します。

これから通信制大学に入学する予定の方、通信制大学の偏差値や難易度について知りたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。

通信制大学に偏差値はある？

通信制大学には、一般的な通学制の大学のような偏差値はありません。

偏差値は、学力試験を設けている大学の入学難易度の指標です。

通信制大学には基本的に入学者選抜における学力試験がないため、偏差値という概念そのものがありません。

入学方法

通信制大学の入学方法は書類選考が一般的で、ごく一部の通信制大学で面接があります。

基本的に学力試験はなく、書類選考がおこなわれます。各大学には入学にあたって必要な条件などが設けられていますが、主に高校卒業、または高卒認定試験に合格していれば入学が可能です。

通信制大学の難易度を判断する方法

通信制大学には偏差値がないため、大学での学びのレベル、難易度を判断する方法が別途必要です。

通信制大学の難易度を判断するには、以下の3つの方法があります。

• 卒業率で判断する
• 単位修得率で判断する
• 通学課程の偏差値で判断する

それぞれ詳しく解説します。

判断方法①卒業率

通信制大学の難易度を判断する指標として、卒業率をチェックする方法があります。

通信制大学は入学こそしやすいですが、一般的な通学制大学に比べて卒業率は低い傾向にあります。通学がない分、自ら学修を進める必要がある通信制大学では、単位取得が上手くいかず、卒業できないケースが多々あるのです。

卒業率が高い通信制大学は、学修が進めやすい環境が整っていたり、サポート体制が充実していたりする可能性が高いでしょう。

ただし、多くの通信制大学では卒業率を非公開にしているため、すべての通信制大学に使える手段ではありません。

卒業率の高い通信制大学

通信制大学の中でも、特に卒業率が高い大学は以下の4大学です。

大学名	卒業率
人間総合科学大学	80％
産業能率大学	72.2％
サイバー大学	76％
早稲田大学	60％

卒業率が高い大学では、サポート体制が整っていると考えられます。学修サポートが充実していれば、自宅学修であっても単位取得がスムーズにおこなえるため卒業しやすいでしょう。

卒業率と併せて、自分に合ったサポートがあるか、カリキュラム内容はどのようなものなのかなどのポイントも入学前に確認することをおすすめします。

判断方法②単位修得率・履修継続率

単位修得率と履修継続率は、卒業率と同じく難易度を判断する指標として有効です。

各大学の必要単位数と単位修得方法により、単位の取りやすさが異なります。

そのため、単位修得がしやすい大学は卒業もしやすく、難易度が高くないと判断できるでしょう。

ただし、単位修得率や履修継続率が高いからといって自分が興味を持てない大学や学部を選んでしまうと、モチベーションを保てず挫折する可能性があり、それでは本末転倒です。

あくまで自分が学びたい分野の中で、単位修得率や履修継続率を難易度の参考としましょう。

単位修得率・履修継続率が高い通信制大学

通信制大学の中でも、単位修得率が特に高い大学は以下の3大学です。

大学名	単位修得率
京都芸術大学 通信教育部 芸術教養学科（手のひら芸大）	90％以上
東京未来大学 通信教育課程	87.4％
サイバー大学	81.4％

履修継続率が高い通信制大学には、以下の2大学が挙げられます。

大学名	履修継続率
東京通信大学	96.3％
サイバー大学	91.3％

判断方法③通学過程の偏差値

通学課程がある大学の場合、通学課程の偏差値が難易度を判断する要素になります。

ただし、通学課程と通信教育課程の偏差値は必ずしも同程度ではないことに注意しまししょう。あくまで通学課程の偏差値は参考として考えてください。

また、通学課程の偏差値は学部によって異なります。通学課程の偏差値を参考にしたい場合は、志望する学部の偏差値を必ず確認してください。

通学課程も開設している大学	通学課程の偏差値
武蔵野大学	45～55
武蔵野美術大学	40～55
帝京平成大学	40～57.5
玉川大学	40～57.5
法政大学	55～65
中央大学	55～65
日本大学	45～67.5
早稲田大学	62.5～70
慶応義塾大学	60～72.5

難易度に差がある理由とは

通信制大学の難易度に差がある理由としては、以下の4つが挙げられます。

• 授業形態
• 単位修得方法
• 卒業要件
• サポート体制

授業形態とは、オンライン授業の実施形態の違いの他に、スクーリングの有無や試験のことを指します。

通信制大学と一括りで表現しても、完全オンラインで完結する大学もあれば、スクーリングが多めの大学やレポート課題を重視する大学もあり、単位修得方法もさまざまです。

テスト、レポート課題、受講形態、試験など、単位修得方法は大学によって異なり、それらが難易度の差に繋がります。

通信制大学によっては必要単位数を修得するのみで卒業できる場合の他に、卒業研究や卒業論文が設けられていることもあります。卒業要件によって難易度が大きく変わるため、入学前に確認しておくと良いでしょう。

また普段の学修について、サポート体制が充実している大学は履修の継続や単位修得がしやすくなります。基本的に自主学修がメインとなる通信制大学では、モチベーションを保つのが難しくなる場合もありますが、サポート体制が整っていればモチベーションを維持しやすく、学修を継続しやすくなります。

サポート体制については、下の開志創造大学(仮称)のように、各大学の公式ホームページなどに記載があることが多いので、ぜひチェックしてみてください。

授業形態、単位修得方法、卒業要件、サポート体制の4点により、通信制大学の難易度には差が出るのです。

大学別に特徴を比較

通信制大学の特徴を、授業形態、単位修得方法、卒業要件、サポート体制の4つの項目でまとめました。

大学選びの参考にしてください。

大学名	授業形態	単位修得方法	卒業要件	サポート体制
開志創造大学 情報デザイン学部（仮称・設置構想中）	完全オンライン（スクーリングなし）	・オンライン授業 ・レポート課題 ・テスト	124単位を修得	・オンライン学習の進め方サポート ・授業の進行状況による個別サポート ・学修管理サポート ・チャット形式でいつでも質問可/原則24時間以内に質問回答 ・ICT学習教材「すらら」を使用した数学サポート ・オフィスアワー（教員への相談） ・オンライン環境サポート ・学修アドバイザー ・就職・キャリア支援 ・各種証明書発行サポート ・大学カウンセラーによるサポート
サイバー大学	完全オンライン（スクーリングなし）	・オンライン授業 ・特定の資格取得 ・レポート課題 ・テスト	124単位を修得	・授業サポート ・学生サポート ・システムサポート ・身体的・精神的疾患のある方へのサポート ・心身のお悩みや不安等に関する相談 ・オフィスアワー（教員への相談）
新潟産業大学（managara）	完全オンライン（スクーリングなし）	・オンライン授業 ・テスト ・課題 ・認定試験	4年以上在学し124単位を修得	・学修サポート ・就職・キャリアサポート
八洲学園大学	オンライン授業（スクーリングあり）	・レポート課題 ・試験 ・スクーリング	4年以上在学し124単位を修得	・入学支援相談センダー ・学生支援センター ・キャリアコーディネート室 ・ハラスメントについて ・病気や障害等があり学修上の配慮を希望する方へ
産業能率大学	オンライン授業（スクーリングあり）	・レポート課題 ・試験 ・スクーリング	4年以上在学し128単位を修得	・キャリアサポート ・資格取得サポート ・進路サポート ・学修サポート
早稲田大学	オンライン授業（スクーリングあり）	・オンライン授業 ・レポート課題 ・小テスト	124単位を修得	・ITヘルプデスク ・大学図書館 ・大学院進学
京都芸術大学	オンライン授業（学科によりスクーリングあり）	・オンライン授業 ・テスト ・作品課題 ・レポート課題	124単位を修得	・学習サポート ・スクーリング申し込み ・履修計画サポート ・学生生活サポート ・つながりサポート ・進路サポート
東京通信大学	完全オンライン	・オンライン授業 ・試験	124単位を修得	・アカデミック・アドバイザー ・科目担当教員の在籍 ・履修相談会 ・キャンパス・サポートセンター ・学費サポート ・就職・進路のサポート
慶應義塾大学	オンライン授業（スクーリングあり）	・オンライン授業 ・レポート課題 ・スクーリング ・試験	4年以上在学し124単位を修得	・学習サポート ・奨学制度
武蔵野大学	・オンライン授業（スクーリングあり）	・オンライン授業 ・スクーリング ・レポート課題 ・テスト ・試験	4年以上在学し124単位を修得	・学修サポート

通信制大学の選び方のポイント

通信制大学を選ぶときは、難易度だけではなく以下のポイントにも注目しましょう。

• スクーリングの有無や回数
• 授業形態はライブ配信かオンデマンド配信か
• 学費は全部でいくらかかるのか
• 学修や就職のサポートは充実しているか
• 学びたい分野があるか

通信制大学には完全オンラインの大学と、何度かスクーリングに通う必要のある大学があります。スクーリングがあったほうがモチベーションを維持しやすい方もいれば、完全オンラインで卒業したいという方もいるでしょう。

また授業形態に関しても、リアルタイムに配信されるライブ型と既存の動画やコンテンツを好きなときに視聴できるオンデマンド型の2種類があります。自分のスケジュールに合わせて選びましょう。

学費は自分の予算内でなければ、経済的な負担が大きくなってしまうため注意が必要です。社会人が使える奨学金や補助制度もあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

その他、学びたい分野があるか、興味のある授業内容か、学修や就職のサポート体制は整っているかなども、通信制大学を選ぶときの重要なチェックポイントです。

通信制大学を選ぶときのポイントについては「通信制大学の選び方！7つのポイントから自分に合う通信制大学に行こう」で詳しく解説しています。ぜひ併せてご覧ください。

通信制大学に迷ったら、開志創造大学 情報デザイン学部（仮称・設置構想中）

開志創造大学 情報デザイン学部（仮称・設置構想中）は2026年4月開設予定の完全オンラインで卒業できる通信制の学部です。一度も通学することなく卒業時には大学卒業の証である「学士（情報学）」の取得が可能です。

授業が始まる前に、オンラインでの学修の進め方や大学の授業の学び方など、オンライン授業を初めて受ける方にも安心のサポートや、ICT学習教材「すらら」を使用し、授業開始前に数学のサポート講義を用意しているため、理系分野の授業についていけるか心配な文系の方も安心です。

また、授業でわからないことが出てきた場合には、原則24時間以内に回答のくるチャット形式で質問ができます。通学制と違ってリアルタイムで直接会って教員とやり取りではなく、好きなタイミングで質問が気軽にできるので、不安の早期解消につながります。

情報デザイン学部(仮称・設置構想中)ではどんなサポート体制が整っているのか気になる方はぜひチェックしてみてください。

まとめ

自宅学修をメインに、完全オンラインか数回のスクーリングで卒業できる通信制大学。通信制大学は基本的に入学時に学力試験がなく、書類選考や面接により入学できるため偏差値がないことが特徴です。

偏差値がない通信制大学の難易度を判断するには、卒業率、単位修得率、通学課程の偏差値などが参考になります。自分の志望先の情報を集め、難易度について考えてみてください。

また、通信制大学の難易度の差は授業形態、単位修得方法、卒業要件、サポート体制の4つによって生まれます。各大学の特徴を確認し、難易度を比較してみましょう。

通信制大学を選ぶときは難易度の他に、スクーリングの回数や学費といったポイントにも注目してください。

納得した大学生活を送れるよう、自分に合った通信制大学を選んでみましょう。