IT業界で求められるスキルを紹介!取得方法や必要な理由も解説
IT業界では、職種やポジションなどによってさまざまなスキルが求められます。
本記事では、IT業界で求められるスキルについて取得方法や必要な理由も併せて紹介します。IT業界に興味がある方や転職を考えている方、これからスキルアップしていきたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
IT業界の仕事の種類
IT業界の仕事は、「エンジニア職」と「非エンジニア職」に分けられます。
エンジニア職はプログラマー、システムエンジニア、ネットワークエンジニア、データベースエンジニアといったシステム設計や開発に携わる仕事を指します。要件分析(※)、システム設計、システム構築、運用、プログラミングなどをこなす仕事です。
一方で非エンジニア職はITコンサルタントや営業などの仕事です。ITを用いて企業の課題を解決したり、自社製品やサービスを顧客に営業したりと、システム開発などには携わらない仕事です。
エンジニア職は高い技術力や知識が求められるのに対し、非エンジニア職ではコミュニケーション能力や商品に関する知識や理解が求められるため、それぞれに必要とされるスキルはまったく異なります。
※要件分析とは、ソフトウェアやシステムの初期段階で、ユーザーや顧客のニーズが何なのかを明確にしていく作業のこと
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IT業界で求められている人材の共通点
IT業界で求められている人材には、以下のような共通点があります。
- 常に学ぶ意欲がある
- 物事の成り立ちについて考えられる
- 積極的な姿勢で仕事に臨める
- コンプライアンスの意識が高い
まずは、職種を問わず求められる人材の特徴について知っておきましょう。
常に学ぶ意欲がある
IT業界では、常に学ぶ意欲がある人材が求められます。
なぜなら、IT業界は常に進化していくため情報が更新され続け、学ぶ意欲がなければ最新の情報を取り入れることができず、取り残されてしまうからです。
システム関連の知識、業界のトレンド、自社システムや競合他社の情報、社会人としてのマナーや対人スキルなど、あらゆる分野において学習意欲が高いことはIT業界で強く求められる人材の特徴です。
物事の仕組みについて考えられる
物事の仕組みについて考えられる力があると、IT業界では重宝されます。
機械を扱うことの多いIT業界では、機械の故障やエラーなどにも対処しなければなりません。機械やシステムの仕組みを考えられたり、知っていたりすればトラブルへの対処もスムーズに行うことができます。
特にプログラマーなど、システムの内部に関わる仕事をするなら、物事の仕組みや原理について考えられる力は必須とも言えるでしょう。
積極的な姿勢で仕事に臨める
積極的に仕事に臨める人材も、IT業界で常に求められています。受け身ではなく、自ら提案したり質問できたりする人材は成長が早く、周囲からの期待も高まります。
自ら積極的に動ければ、顧客が期待する以上の仕事ができたり、競合他社とは異なる提案ができたり、業務を効率化できたりとさまざまなメリットがあります。
上司や周囲の目を気にせず、積極的に提案できる姿勢は職種を問わずIT業界で重宝されます。
コンプライアンスの意識が高い
IT業界は多くの情報を取り扱うため、情報セキュリティに関してとてもシビアです。コンプライアンス(※)意識が高いという点は、IT業界で重要視されます。
顧客情報の流出、企業秘密の不正な持ち出し、その他重要な情報の漏洩は個人の責任に留まらず、企業や組織の信頼を損なうものです。また、場合によっては、多額の損害賠償を求められることもあるため、情報管理に関する高いコンプライアンス意識がある人材は、IT業界で強く求められる要素であると言えます。
※コンプライアンスとは、個人や企業が法律や社会的ルールを守ること
IT業界で求められるスキル10選
プログラミングスキル
IT業界では主にシステムやアプリケーション開発に携わる仕事をこなすため、基本的なプログラミングスキルや知識は必須です。
エンジニア職はもちろん、非エンジニア職であっても顧客への説明やトラブル対応の際に役立つほか、既存のシステムやアプリケーション、Webサイト等から情報を得て分析するためにも、プログラミングのスキルと知識は身につけておきたいスキルです。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは、すべての職種に求められるスキルです。
営業などの非エンジニア職は人との会話が多いため、コミュニケーションスキルの重要性は想像しやすいですが、エンジニア職であってもコミュニケーションスキルは欠かせません。
チームやプロジェクト内での状況報告や相談、情報共有などを円滑におこなうためには、一定のコミュニケーションスキルが必要だからです。
論理的思考力
論理的思考力とは、物事について矛盾がなく、順序立てて客観的に考えられる力のことを指します。
プログラミングや社内の課題解決、顧客の抱える問題を解決するときなどに論理的思考力が必要になります。
問題や課題の原因を特定し、状況を正しく把握し、適切な解決策を考えることができれば説得力のある説明が可能となり、組織間の信頼関係にも貢献できるでしょう。
分析力
分析力とは、顧客の抱える課題や業界のトレンドについて、正しく分析できる力を指します。
課題やトレンドから求められているものを導き出すには分析力が欠かせません。
物事を分ける、組み合わせる、多面的に見る、結論を出すという4つの力を磨くことで、分析力を高めることができます。
ネットワークやサーバーの知識
IT業界では、情報通信などにおいてネットワークやサーバーに関する知識が欠かせません。基本的な知識として、ネットワークやサーバーについて知っておくようにしましょう。
また、ネットワークやサーバーに関するトレンドや最新情報については常にアンテナを張って、情報を最新のものに更新するようにしましょう。
営業・顧客対応スキル
営業や顧客対応のスキルも、IT業界では強く求められます。
顧客からの問い合わせやクレーム、相談に対してスムーズに対応できるように、営業や顧客対応のスキルは常に磨いておきましょう。
顧客の気持ちを理解すること、相手の言いたいことを正しく把握すること、真摯に対応ができることは、社会人として重要なスキルです。
セキュリティの知識
情報を扱うIT業界では、情報セキュリティに関する知識を持っておくことが重要です。
セキュリティの知識やコンプライアンスの意識が低い場合、重要な情報の漏洩などのリスクがあるため敬遠されてしまいます。
セキュリティの知識があることやコンプライアンス意識が高いことを証明するには、関連する資格を取るのがおすすめです。
情報セキュリティに関しては、こちらの記事に詳しくまとめていますので、ぜひ併せてご覧ください。【セキュリティ基礎】【セキュリティ意識向上】
マネジメントスキル
チームやプロジェクトの管理を担う場合、マネジメントスキルが求められます。マネジメントスキルとは、組織全体を把握しつつ、管理・進行できるスキルです。
マネジメントスキルを磨くには、「課題解決のための目標設定」「進捗管理」「環境構築・整備」「コーチング(※)」の各要素を身につけることが大切です。
マネジメントスキルはIT業界に限らず、あらゆる仕事で求められるスキルであるため、上記の各要素を身につけられる機会があれば積極的に関わるようにしましょう。
※コーチングとは、相手の積極性を促し、目標達成を支援すること
ドキュメント作成スキル
ドキュメント作成スキルとは、資料作成に関する基本的なスキルのことです。
顧客用、会議用など、仕事をする中で資料を作成する機会は多くあります。
要点がわかりやすい、訴求内容が明確、シンプルで見やすいなど、相手に伝わりやすい資料を作れるスキルは社内、社外を問わず重宝されます。
良い資料を作るには、分析力や論理的思考力なども必要になってくるため、同時に向上させましょう。
英語力
IT業界では、英語力のある人材が求められています。
IT業界の最新トレンドや情報は英語で発信されることが多く、英語力があれば海外から最新の情報をいち早く集めることができます。
また海外に進出している企業などでは、海外の顧客と接することがあったり、海外の技術者とコミュニケーションを取る機会があったりするため、英会話のスキルが求められます。
今後のIT業界で求められる4つのスキル
IT業界は今後も進化、発展していくことが期待されています。一方で、IT人材の需要の増加に対し、人材が不足していることが懸念されているのも事実です。
そんなIT業界で働き続けるためには、未来を見据えたITスキルの習得が欠かせません。
ここでは、今後のIT業界で求められる4つのスキルについて解説します。
自動化や仮想化への対応力
自動化や仮想化(※1)は、今後ますますの発展が予想される分野です。特に、サーバーエンジニアやネットワークエンジニアなど、インフラ系のエンジニアとして働きたい方は意識して身につけるべきでしょう。
今まで手動でおこなってきた業務をコーディング(※2)によって自動化することで、業務の効率化を狙う企業は今後も増えることが予想できます。
自動化や仮想化に関するスキルや対応力があれば、今後もIT企業での活躍が望めます。
※1:仮想化とは、サーバー、ストレージ、ネットワークなどのハードウェアをソフトウェアで統合・分割する技術。コストを削減しつつ障害に強い環境を得られるメリットがある
※2:コーディングとは、プログラミング言語を用いてソースコードを書く作業のこと
IoT関連スキル
IoTの分野も自動化や仮想化に並び、発展が予想されます。
組み込み系エンジニア(※1)の方は、IoT関連スキルを身につけることでさらに高度な技術や知識をもつ先端IT人材へと転身できるでしょう。
ただし、先端IT人材を目指すには無線通信機能やセンシング(※2)など、既存の組み込み系業務では求められなかったようなスキルを学ぶ必要があります。
※1:組み込み系エンジニアとは、家電製品などに設置されたセンサーなどの独立した機械の中に組み込まれている、小さなコンピューターを制御する「組み込みシステム」を開発するITエンジニアのこと
※2:センシングとは、センサーを用いて対象の定量情報を取得する技術のこと
AIや機械学習に関するスキル
急速に普及しているAIや機械学習に関するスキルを身につければ、今後長くIT業界で活躍できるでしょう。
業界を問わずAIの活用が進む近年、AIや機械学習の知識やスキルは常に求められています。
積極的にAIや機械学習のスキルと知識を身につけることで、より多くの仕事をこなせるようになります。
AIや機械学習については、「AI入門」で詳しく解説しているのでこちらもぜひご覧ください。
問題解決能力と伝える力
今後ますます発展するIT業界では、より複雑な問題も起こる可能性が高く、問題解決能力や問題・課題を伝える力も求められます。
論理的思考やコミュニケーションスキルを今から意識的に高め、最新の情報を常にチェックすることで今後のIT業界で活躍できる人材を目指しましょう。
IT業界で必要なスキルを身につける方法
通信制大学やプログラミングスクールに通う
通信制大学やプログラミングスクールに通うことで、用意されたカリキュラムで基礎から応用まで学習することが可能です。
IT全般の基礎を学びたい方、分野を絞って学びたい内容がある方、より高度なスキルを身につけたい方は、通信制大学やプログラミングスクールを利用しましょう。
IT関連のスキルや知識を身につける際、通信制大学を選ぶメリットや大学の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
「通信制大学でITを学ぶ3つのメリットと大学選びのポイントを解説」
参考書を読む
学びたい分野が定まっているなら、専門書など参考書を読むのがおすすめです。
AI、IoT、コミュニケーションスキル、英語力など、伸ばしたいスキルを絞ってしっかり学びたい方は参考書を読み込んでみましょう。
関連資格がある場合は、資格取得を目指して勉強するのもおすすめです。
コミュニティに参加する
IT系のスキルアップを目指すコミュニティに参加することで、情報収集などができます。
実際にどのようにスキルアップしていけば良いのか相談したり、参考書やイベントについて聞いたりすることもできるため、コミュニティへの参加はおすすめです。
IT業界でスキルを証明できるおすすめの資格
ITパスポート
「iパス」の略称で有名なITパスポートは、IT全般の基本的な知識を持っていることを証明できる国家資格です。
IT業界に限らず、すべての業種、職種の社会人が持つべきITリテラシーなどについて問われる試験であり、取得していることで「ITに対する基本的な理解があること」を証明できます。
基本情報技術者試験(FE)
基本情報技術者試験(FE)は、高度IT人材を目指す際に取得しておきたい国家資格です。対象はエンジニア職で、専門的な知識が問われます。
プログラマーやシステムエンジニアなど、エンジニア職で働きたいなら取得しておくことをおすすめします。
基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
応用情報技術者試験(AP)
応用情報技術者試験(AP)は、基本情報技術者試験で問われる内容よりさらに高度な内容が問われる国家資格です。
合格率は23%程度と低く、取得していれば高度IT人材として戦力になれることを証明できます。
応用情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
IT業界で役立つ資格については、こちらで一覧にしています。IT資格についてさらに詳しく知りたい方は、こちらもご覧ください。
【it 国家資格】
ITスキルを身につけるなら開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)がおすすめ!
開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)は2026年4月開設予定の通信教育課程の学部です。完全オンラインで大学を卒業することができ、卒業時には大学卒業の証である「学士(情報学)」が取得可能です。
授業は全てオンデマンド形式(事前録画型)のため、時間や場所を選ばずに受講ができます。社会人の方であれば、通勤中のスキマ時間を利用したり、家事・育児の合間に学修を進めることができるため、時間を有効活用してITスキルを身につけることが可能です。
また、年間学費も25万円と通いやすい設定のため、働きながらでも学びやすいのが特長です。
社会全体で必要とされているIT・デジタルスキルを身につけることで、自分自身の成長はもちろん、企業や社会に求められる人材を目指すことができます。
まとめ
IT業界にはエンジニア職と非エンジニア職があり、仕事内容によって求められるスキルはさまざまです。
いずれの仕事に携わるとしても、共通して「常に学ぶ意欲がある」「物事の仕組みについて考えられる」「積極的な姿勢で仕事に臨める」「コンプライアンス意識が高い」といった要素が求められます。
日々進化と発展を続ける現代社会ではIT業界に限らず、全ての業種・職種で、常に学び、考え、積極的に取り組む姿勢や、情報を正しく扱えること、管理できることが重要です。
またIT業界で求められるスキルは、通信制大学やプログラミングスクールに通ったり、参考書を読んだり、コミュニティに参加したりすることで身につけることができます。多くのスキルは一朝一夕で身につくものではないため、早めに準備して学習を始めると良いでしょう。
必要なスキルを身につけ、これからのIT業界で活躍できる人材を目指しましょう!