ストレスマネジメントとは?メリットや実践方法などを徹底解説!
ストレス社会とも言われる現代の日本で、上手に生きていくにはストレス管理が欠かせません。
本記事では、ストレスマネジメントの基本、ストレスとは何か、ストレスマネジメントのメリット、実践方法などについて解説します。
ストレスと上手く付き合っていきたい方、ストレスを溜めがちな方などは、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ストレスマネジメントとは?
ストレスマネジメントとは「ストレスとの上手な付き合い方を考え、適切な対処をしていくこと」と厚生労働省によって定義されています。
過度なストレスによって心身に不調が出たり、病気になったりすることを事前に回避するため、日々のストレスと上手く向き合っていく方法を覚えることが大切です。
そもそもストレスとは?
ストレスとは、外部からの何かしらの刺激によって、体の内部に生じる反応のことを指します。
一般的には、ストレスを引き起こす外部からの刺激である「ストレッサー」と、ストレッサーに対する心身の反応である「ストレス反応」を総称して「ストレス」と呼ぶこともあります。
1:ストレッサー
ストレッサーとは、心身に反応を起こさせる原因となる外的な刺激のことです。
例えば、気温の変化、有害物質、病気、睡眠不足、人間関係からくる心理的な刺激などがストレッサーに該当します。
特に人間関係にはつきものの不安や緊張、恐怖、怒りといった心理的・社会的な刺激が、大きなストレスとなりやすいと考えられています。
2:ストレス反応
ストレッサーによって刺激を受けた心身が、ストレスを消すために起こす防御反応をストレス反応と言います。
ストレッサーによって起こるストレスには「良いストレス」と「悪いストレス」があり、いずれも何かしらの反応があります。
ストレスを上手く回避・軽減できた場合は特に大きな負担はありませんが、できなかった場合、心身にさまざまな悪影響を与えることがあるため注意が必要です。
例えば、急性胃腸炎、胃潰瘍、高血圧、気管支喘息、抑うつ、錯乱などストレスによって心身に起こりうる反応はストレスの大きさや本人の状態によってさまざまです。
ストレスマネジメントを実践するメリット
ストレスマネジメントを実践することで得られる主なメリットには、以下の3つが挙げられます。
- 自分自身のストレス状態を把握できるようになる
- 業務パフォーマンスが向上し、生産性が上がる
- 個々の精神状態が安定することで職場で過ごしやすくなる
それぞれ詳しく解説します。
ストレス状態を把握できる
ストレスマネジメントを実施することで、自分自身のストレス状態について把握できるようになります。
ストレス反応に気づかず、無意識にストレスを溜めこんでしまうと、うつ病などを発症する可能性があります。
普段から自分のストレス状態を意識して把握・理解しておくことで、ストレスに対して効果的に対処でき、健康を維持しやすくなるでしょう。
生産性の向上
ストレスマネジメントをおこなうことでストレスと上手く向き合えるようになると、心身の状態が安定し仕事のパフォーマンスが向上します。
パフォーマンスが向上すれば、業務の生産性が上がるため、個人や企業にとって大きなメリットとなるでしょう。
職場環境の改善
従業員がストレスを上手くコントロールできれば、職場でイライラしたりそれを他者にぶつけたりすることもなくなるため、人間関係が悪化することを避けられるでしょう。
また、コミュニケーションが円滑におこなえることでハラスメント防止にも繋がり、職場全体の雰囲気が改善される可能性もあります。
ストレスマネジメントを実践しないデメリット・リスク
ストレスマネジメントを実践せずにいると、以下のようなデメリットやリスクを抱えることになります。
- イライラや不調によって仕事が上手くいかなくなる
- ハラスメントなどのトラブルを発生させる可能性が高まる
それぞれ詳しく解説します。
仕事が上手くいかなくなる
ストレスを抱え込んでしまうとイライラや不調の原因となってしまい、仕事に悪影響を及ぼす可能性があります。
仕事が上手くいかないと、さらにストレスが溜まってしまい「仕事が楽しくない」「職場に行きたくない」といったネガティブな感情を抱いてしまうこともあるでしょう。
仕事をきちんとこなすためにも、ストレスを溜め込まないようにすることが大切です。
ハラスメントなどのトラブル
ストレスマネジメントをおこなわずにいると、イライラを他者に向けてしまいハラスメントなどのトラブルを起こしてしまう可能性があります。
心身が不安定な状態では、ミスをしたり、思わず暴言を口にしたりなどし、結果としてさらにストレスが増える可能性があります。また、自己嫌悪によってさらにストレスを溜め込んでしまうことも考えられます。
パワハラやセクハラなど、普段なら起こりえないトラブルを防ぐためにも、日々のストレスマネジメントが重要です。
基本的なストレスマネジメントの実践方法
ストレスマネジメントの実践方法は、基本的に以下の2つです。
セルフモニタリング | 自分で心身の状態を記録してストレスについて理解を深める手法 |
ストレスコーピング | ストレス反応を軽減させる5種類の対処法 |
ここでは、基本的なストレスマネジメントの手法について解説します。
1:セルフモニタリング
セルフモニタリングは、自分自身で日々の精神状態を記録してストレスの原因や反応について分析する手法です。
ノートやアプリに出来事と気持ちを一緒に記録し、精神状態を可視化することで、自分に対する理解が深まります。
セルフモニタリングによって、自分のストレスや精神状態について客観視することは、対処法を見つける手がかりにもなります。
2:ストレスコーピング
ストレスコーピングとは、ストレス反応を軽減するための手法です。ストレスコーピングでは、定められた5種類の型を理解したうえで、現状に即した行動を選択するのがポイントです。
型 | 行動 | 行動の例 |
---|---|---|
情動焦点型コーピング | ストレッサーに対する感情を誰かに話してコントロールする | ・不本意な部署異動が決まり、気分が落ち込む →家族に話を聞いてもらう ・仕事で理不尽な怒られ方をした →友人に愚痴を聞いてもらう |
認知的再評価型コーピング | ストレッサーに対する考え方を変えて前向きに受け止める(ポジティブシンキング) | ・失敗して落ち込む →良い経験をしたと捉える ・上司に叱られた →期待されているからこそ叱られたと考える |
問題焦点型コーピング | 問題となるストレッサーの存在に集中して解決方法を見つける、または回避する | ・満員電車がストレス →時差出勤で満員電車を避ける ・業務量が多く対処しきれない→仕事量を減らしてもらう、一旦担当から外してもらう ・部署内の人間関係がストレス→部署異動を申し出る |
社会的支援探索型コーピング | ストレッサーを軽減するために周囲の人の支援を得る | ・仕事量が多すぎる →上司に仕事量の調整を相談する ・精神的に余裕がなく気分が落ち込むことが多い →心療内科やカウンセリングに行き相談する ・パワハラに悩んでいる →人事部や上司、組合などの相談機関に相談する |
ストレス解消(気晴らし)型コーピング | ストレッサーから距離を取ったり、趣味に没頭したりして心身の休息をとる | ・好きな音楽を聴く ・長期休暇を取って旅行に行き、リフレッシュする ・温泉に行って疲れを取る |
企業でできるストレスマネジメント方法
企業でできるストレスマネジメントには、以下のような手法があります。
- メンター制度を取り入れて新人のサポートやケアに注力する
- 社内でストレスマネジメントに関する研修をおこなう
- 職場環境を把握したり、問題点を改善したりする
- メンタルヘルスケアを実践する
それぞれ詳しく解説します。
メンター制度
メンター制度とは、新人や若手に対しておこなうストレスマネジメント方法の1つです。上司や先輩が相談に乗ったり、アドバイスをしたりして新人や若手のストレスを緩和します。
育成や離職防止のために取り入れられるメンター制度ですが、組織内の人間関係を円滑にすることも目的の1つです。
また、新人や若手にとっては心の安定や気持ちの余裕にも繋がるため、有効なストレスマネジメントの手法と言えるでしょう。
社内研修
社内でストレスマネジメントに関する研修をおこなったり、それに関連する情報を共有したりする方法です。
ストレスの要因やストレス反応についての理解を深め、セルフマネジメントに役立ててもらいましょう。
従業員が自分自身のストレス状態や対処法について理解することで、組織全体のストレス耐性を上げることが期待できます。
職場環境の改善
企業において、人間関係の悪化や職場環境によるストレスは多くの従業員にとって負担になります。
職場環境を徹底的に整え、問題点について随時改善するよう努めることで、組織全体のストレスを軽減できるでしょう。
管理職の方は、職場管理をしたり従業員の声に耳を傾けたりすることが大切です。
メンタルヘルスケア
会社を挙げてメンタルヘルスケアをおこなうのも重要です。
不調を抱えた従業員を早期発見し、適切に対応しましょう。具体的には、従業員がストレスをセルフチェックできる機会を設けたり、相談窓口を設置したりすることが挙げられます。
また、既にストレスを抱えすぎてしまい体調を崩してしまった従業員に対しては休養を勧め、職場復帰の制度もきちんと整えておくことが重要です。
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まとめ
ストレス社会と言われる現代の日本では、ストレスと上手に付き合っていくことも大切なスキルです。
ストレッサーによって起こるストレス反応に上手く対処することをストレスマネジメントと言い、実践することでさまざまなメリットがあります。
ストレスマネジメントを実践すれば1人ひとりが自分自身のストレス状態を把握できるようになったり、業務パフォーマンスが向上し生産性が上がったり、精神が安定することで職場環境が改善されたりといったメリットがあります。
逆に、ストレスマネジメントを実践していないと仕事が苦痛になったり、普段なら起きないトラブルを起こしてしまうリスクが大きくなるため注意してください。
ストレスマネジメントは主にセルフモニタリングとストレスコーピングによって実践でき、個人でも始められます。また、企業においてはメンター制度、社内研修、職場環境の改善、メンタルヘルスケアなどによって従業員のストレスマネジメントを促すことが可能です。
ストレスマネジメントを実践することで、自身の心身について理解し、仕事に集中して臨める状態を維持しましょう。