将来性のある業界を紹介！今後衰退の可能性がある業界や伸びる業界で働くポイントを解説

就職や転職の際、選ぶ業界によっては将来性に期待できたり、衰退する可能性があったりします。

本記事では、将来性のある業界や特におすすめの職業について、また、将来衰退する可能性がある業界などを紹介しつつ、将来性のある業界で働くためのポイントについても解説します。

就職や転職で業界選びをする際は、ぜひ参考にしてください。

将来性のある業界の共通点

将来性のある業界には、5つの共通点があります。

• 市場規模が拡大している
• 社会的な需要が高い
• 社会の変化に柔軟に対応できる
• 自動化や機械化が難しい
• 需要に対して人材が不足している

市場規模が拡大している

市場規模が拡大している業界は景気が良く、商品やサービスが売れて経済活動が活性化している状態です。

例えば、情報収集においてかつては新聞やラジオ、テレビが主流でしたが、インターネットの普及に伴い、スマートフォンやPCに取って代わりました。

また、デジタル機器の普及に伴い、紙媒体や印刷機器を取り扱う業界にとっては苦しい時期が続いています。

消費者の間で需要が高まっているものに関連する業界は景気が良く、市場規模が拡大していくため、将来性が高い業界であると考えられます。

社会的な需要が高い

社会的な需要が高い業界は、将来性の高さが期待できます。

社会的な需要とは、消費者の生活にとって必要で、ないと困るようなサービスや商品のことを指します。

例えば、病院、医療の分野は人が生きていく限り、なくてはならないものです。

人々の生活にとって欠かせないものを扱う業界は、将来性があり安定しています。

社会の変化に柔軟に対応できる

社会の変化に柔軟に対応できることも、将来性のある業界には欠かせない要素の1つです。

経営者が優れている企業ほど社会の変化やトレンドに敏感で、柔軟に対応することを考えます。

過去の経験や経営理念に固執し過ぎず、現状に対して柔軟に対応し進化してきた業界には将来性が期待できるでしょう。

自動化や機械化が難しい

自動化や機械化が難しい業務をこなす業界は、今後も発展していくことが期待できます。

AIや機械学習の普及、IoTの発展など、IT業界の進化に伴い多くの作業や業務がロボット化してきました。

事務作業などを中心に、今後は自動化や機械化がますます進むでしょう。

一方で、自動化や機械化が難しいとされる「考える分野」は、ITの発展が進んでも存在し続けると考えられています。

相手の感情を読み取る力、0から1を生み出す企画力や想像力といった「考える力」が必要な職業や業界は、将来性が高いと考えられます。

営業、コンサルタント、セラピスト、カウンセラー、クリエイター、美容師、保育士、アーティストなどは自動化や機械化が難しい分野です。

需要に対して人材が不足している

需要の高まりに対して人材が不足している業界は、将来性が高いと言えます。

IT業界や建築、保育など、専門性の高い分野は発展し、需要が拡大している反面、人手不足が深刻な問題となっています。

生活と密接に関わる仕事でありながら人材が不足しているため、スキルや知識、資格を取れば安定的に仕事を続けられるでしょう。

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IT業界

DX導入が進んでいることや生活にも仕事にも密接に関係していることから、IT業界はデジタル化が進む近年ではとても将来性のある業界の1つです。

IT関連のスキルや知識、資格がある人材は、金融、農業、広告、医療、教育など様々な分野で重宝されます。

電子部品・半導体業界

PC、スマホ、テレビなどの電子機器や家電といった生活に欠かせない製品の元となる部品を製造している業界も将来性があります。

半導体製造装置産業において、世界規模で日本は米国に続いて約3割、主要半導体部素材では約半数と圧倒的なシェアを誇っています。

IT化に欠かせない電子部品・半導体は今後もニーズが高まると予想できます。情報化社会を支える業界として、電子部品・半導体業界には将来性があると言えるでしょう。

インターネット広告業界

オンライン化が進む中で、多くの企業がインターネット広告を利用しています。それに伴い、インターネット広告業界は今後も需要をキープするでしょう。

インターネット広告とは、WebサイトやSNSなどの媒体の中で掲載される広告のことです。動画広告、リスティング広告（※1）、アフィリエイト広告（※2）などがあります。

広告市場を引っ張っていく存在になりつつあるインターネット広告業界は、今後も高い将来性が期待できるでしょう。

※1 リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果に連動して表示される広告。

※2 アフィリエイト広告とは、インターネット上のメディアに広告を掲載し、成果が発生するごとにメディアが報酬を受け取る方式の広告。

ドローン業界

ドローン業界は近年急激に成長している分野であり、商用化などで注目を集めています。

2022年には3,086億円だったドローン業界の市場規模は、2028年度には9,000億円以上へ拡大すると予想されています。（ドローンビジネス調査報告書2023 | インプレス総合研究所）

農業、物流、建築など、幅広い分野で活用できるドローンには多くの可能性が秘められており、アイディア次第で今後もさらに成長が期待できる業界です。

宇宙開発業界

宇宙開発業界は、政府の後押しや世界規模で発展していることなどもあり高い将来性が期待できます。

宇宙戦略基金 今後の検討の方向性について （概要）では、政府は宇宙開発分野の開発、技術検証、商業化の支援のためにJAXA(宇宙航空研究開発機構)に対して1兆円規模の支援を実施することが明記されています。

JAXAは政府からの支援を受け、民間企業や大学、国立教育政策研究所に補助金を交付します。政府→JAXA→民間/大学/国研への経済支援という一連の仕組みによって、宇宙開発分野は今後大きく発展すると考えられるでしょう。

EC業界

ECとはエレクトロニック・コマース（Electronic Commerce）の略で、インターネット上で行われる取引を指します。

EC業界は、コロナショックでの巣ごもり生活によって大きな成長を遂げている分野です。通販サイトを利用し、外出せずに買い物をする人が急増したこと、巣ごもりのニーズに合わせてECサイトの発展が急速に進んだことが理由として挙げられます。

生活に必要な日用品や食品のEC化はますます発展することが予想されており、自社ECサイトの立ち上げを検討する企業も増えています。

EC業界には成長見込みがあり、今後さらに発展していくことが期待されています。

医療業界

医療業界は日々進化し続けているため、将来性が高い業界です。

ヘルスケアや高齢化への対応などを中心に、今後も高い需要を獲得し続けるでしょう。

また、医療は人々が生きていく中で欠かせない分野であるため、業界として衰退する可能性は低いと言えるでしょう。

エンタメ業界

エンタメ業界は、アニメ、ゲーム、映画、動画配信など、人々にとって趣味・娯楽に位置づけられるコンテンツを提供する業界です。

WebやITを使ったエンタメ市場は急成長しており、今後もさらに発展していくことが予想されます。

オンラインで交流できるゲームや自宅で楽しめる映画、動画配信といったサービスは年々需要が高まり、市場規模が拡大しているため、将来性のある業界と言えます。

フードデリバリーサービス業界

フードデリバリーサービスは、近年急激に成長している業界の1つです。

好きな店の料理を家で楽しみたい、外出せずに食事をしたいというニーズは高く、Uber Eatsや出前館といったフードデリバリーサービスは人々の生活に根づきつつあります。

また、フードデリバリーサービス業界の急激な需要拡大に伴う人手不足に対して、自立移動型ロボットによるデリバリーサービス(※)などを検討する企業もあります。

伸びしろと需要があり、人手不足でもある業界であるため将来性には期待できるでしょう。

※自立移動型ロボットによるデリバリーサービスでは、注文データを受けて無人ロボットが注文者の住所へ商品を届けます。街中を移動するデリバリースタッフの代わりを務め、人材不足の補完に貢献しています。

将来性のある業界の中でもおすすめの職業

ITエンジニア

ITエンジニアは、高い将来性が期待でき、今後長く安定して働ける可能性が高い職業です。

システムエンジニアやプログラマーなど、IT系の技術者の需要は増加し続けていますが、人材は不足しています。

ITエンジニアとして知識やスキルを身につけ、実務経験を積めば需要のあるIT人材になることができ、さらに安定的に仕事を続けやすくなるでしょう。

データサイエンティスト

データサイエンティストとは、データ収集、整理、意思決定のサポートなどを行う仕事です。

情報化社会において、データの活用は欠かせない業務の1つです。機械化が進んだとしても、その機械を扱える人材がいなければ意味がなく、機械を使ったデータ分析などを通して意思決定を支えるポジションは人が務める必要があるでしょう。

データサイエンティストの仕事はデータを扱うだけではなく、さまざまな知識や経験を踏まえた思考が求められる仕事です。そのため、データサイエンティストはAIや機械に完全に奪われる可能性が低く、将来性があると言えます。

コンサルタント

コンサルタントは、経営、人材、Webなどさまざまな面で分析やサポートをおこなう仕事です。

データを取り扱う場面も多い仕事で、最近では機械の力を使うことも増えていますが、すべての業務を機械化することは難しいと考えられています。

クライアントが抱える課題、状況、環境など、多種多様なケースに柔軟に対応しなければならない他、相手の気持ちも尊重した判断が重要とされるためです。

完全な機械化や自動化ができないため、コンサルタントも将来性のある仕事と言えます。

Webデザイナー

Webデザイナーは、主にWebサイトの構成などを引き受ける仕事です。クリエイティブ要素が強く、ユーザー視点での使いやすさや見やすさなどを考える必要があるため、完全な機械化は難しいと言われています。

また、Webデザイナーの仕事はWebサイトの構築やデザインだけではなくクライアントからの要望をくみ取るヒアリング力や分析力なども求められます。

EC市場の拡大なども追い風となっており、Webデザイナーの仕事は将来性があると言えるでしょう。

デジタルマーケター

デジタルマーケティングに関する仕事は、デジタル要素が多い一方で、人と直接関わる場面も多いのが特徴です。

ただ広告を作るのではなく、クライアントの要望や訴求したい内容をきちんと把握、理解して反映する力が求められます。

細やかなコミュニケーションや情報共有スキルなどが必要であるためAIにすべての仕事をとられてしまう可能性は低く、将来性があります。

営業職

営業は、顧客に対して真摯に向き合うことが大切な仕事です。

顧客が抱える課題に向き合い、適切な提案をすることで売上へ繋げることが仕事であり、完全な機械化は難しいと考えられます。

顧客や取引先と、直接関わって営業していくことで「気持ち」という感情的な要素が加わり、それが営業の成功率を高めてくれることもあるでしょう。

そのため、AIによってすべての仕事を奪われることはないと考えられます。

クリエイター

デザイナー、ディレクター、カメラマン、イラストレーターなど、0から1を生み出すクリエイター業は将来性のある仕事です。

AIなどの機械には務まらない部分があると考えられており、エンタメ系のコンテンツ産業は時代が変わっても需要があります。

人が考え、手を動かしてものを生み出すクリエイター業は将来性のある仕事と言えます。

将来衰退している可能性のある業界7選【2024年最新】

たばこ業界

たばこ業界は年々衰退しつつあります。パッケージの警告表示の義務付けや、改正健康増進法による受動喫煙防止の取り組みの義務付けなどが理由です。

たばこを吸える場所が限定されていることなどの影響もあり、たばこ業界はすでに厳しい状態にあるため将来性があるとは言い難いでしょう。

保険業界

少子高齢化に伴う労働人口の減少や、不安定な経済情勢などにより保険業界は厳しい局面を迎えています。

車や家などの大きな買い物を控える人が増えており、車両保険、住宅保険といったものを取り扱う業界は将来的に衰退していく可能性が高いでしょう。

一方、医療保険や生命保険、災害保険といった生活と密接に関わる商品を取り扱う場合は将来的にも需要があると考えられます。

事務職

近年では、既に多くの事務作業が自動化、機械化しています。将来的にはAIなどの導入も普及し、事務作業のほとんどは機械に任せられるようになるでしょう。

定型化しやすい作業が多い事務職は、特に機械化を進めやすい分野です。

事務職で仕事を続けたいのであれば、データ収集と分析、マネジメントスキルなど、新たなスキルを身につける必要があるでしょう。

最もAIや機械に仕事を奪われる可能性が高いという点で、事務職の将来性はあるとはあまり言えません。

士業

士業とは、高度な専門性をもつ資格職業の俗称で、会計士や税理士、弁護士など「士」がつく職業を指します。

会計士、税理士、弁護士などは難関資格であることもあり、仕事に困らないイメージがあると思います。

しかし、その多くはWebサービスやAIによって自動化、機械化される可能性が高く、人が担う部分が減ることが予想されています。

例えば、財務書類の監査、税務書類の作成、特許出願・登録手続きなどの業務はオンラインサービスなどによって代替できるようになりました。

このように業務内容によっては、将来的に安定しているとは言い切れないのです。

印刷・製本業界

書籍の電子化が進んでいるため、紙の本を取り扱う印刷・製本業界の将来性はあまりないかもしれません。

24時間いつでも、どこからでも購入できる電子書籍には高い需要があり、電子書籍のサブスクリプション（定期購入）の普及も伴ってさらに便利になってきています。

電子書籍の利便性が注目される反面、紙媒体の書籍は手に取られる機会が減り、印刷・製本業界は大きな岐路に立たされているといえるでしょう。

製造業界

製造業そのものには今後も高い需要があり続けますが、工場作業の多くをロボットに任せられるようになると予想されています。そのため、仕事としての将来性があるとは言えません。

製造業で働き続けたい場合、機械化できない作業に関するスキルを身につけたり、機械を操作したり開発したりするためのスキルや知識を身につける必要があるでしょう。

介護業界

高齢化が進む現在は需要のある介護業界ですが、人口激減を迎える時期に入ってしまえば、将来的な需要があるとは言えません。

また介護業界は給与の水準が低く、労働者が得られる給与が少ないという問題も抱えています。

高齢化が進む中で高い需要があるにも関わらず、給与が少ないことで人材の不足が問題視されているため現場への負担は増え続けると予想されます。

既に問題を抱えているうえ、今後高齢化社会から人口減少の時期に移行すると需要も減ることが考えられる介護業界は、将来性があるとは言い難いでしょう。

将来性のある業界で働くためのポイント

スキルアップする

長期にわたって安定したキャリアを求めるなら、自分自身がスキルアップして市場価値を高めることが重要です。

今後、人が担ってきた仕事をAIや機械に任せることが増えるため、企業は代えのきかない特別なスキルを持つ人材を求めるようになります。

IT関連スキル、語学スキルなどの専門的かつ需要のある分野でスキルを身につけ、企業から求められる人材になりましょう。

コミュニケーションスキルやマネジメントスキルなど、職種や業種を問わず必要なスキルを身につけることも大切です。

企業ごとの将来性を見る

将来性のある業界や職種でも、個々の企業の業績などはまた別の話で、経営難に陥っている企業もあります。

現在経営が苦しくなっている企業や、将来的に破綻しそうな企業への就職は避けるなど、きちんと企業の将来性を見極めることが大切です。

同族経営などで風通しが悪い、離職率が高い、コンプライアンス意識が低いなど、将来性に期待できない企業への就職は避けたほうがよいでしょう。

自己分析をする

転職の際は、自己分析をきちんと行って自分自身の強みや弱みを把握しておきましょう。特に自分の強みについては、知っておくことで自分に合った業界を選ぶのに役立ちます。

将来性が高い仕事に就けたとしても、自分に適性がなければ長期的に働くことは難しいでしょう。

長く安定的に働きたいのであれば、自己分析をしたうえで自分に合った業界や職業を選ぶことも大切です。

転職のプロを頼る

自分に合う仕事を選ぶのが難しいと感じる場合、転職エージェントなどプロの力を頼ることも検討しましょう。

業界や職種の将来性に詳しいプロの視点で、仕事選びのサポートが受けられます。

将来性のある業界や職種で働きたいこと、自己分析の結果などをきちんと伝え、自分に合った仕事を探してみてください。

将来性のある業界で求められるスキル

将来性のある業界では、高度なスキルが求められます。

ここでは、将来性のある業界で働くために大切な3つのスキルについて解説します。

IT系のスキル

IT系のスキルは、IT業界はもちろん他業界であっても需要があります。

なぜなら、ITは今や多くの業界で普及しているものだからです。業務の自動化などに伴い、業界を問わずITに関する知識を持つ人材が求められています。

ITパスポートや基本情報技術者試験といったITに関する基礎知識が問われる資格を取得していれば、業界を問わず重宝される人材となれるでしょう。

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マネジメントスキル

多くの仕事がAIや機械に取って変わったとしても、マネジメントスキルがあれば機械やAIを操作する側として仕事を続けられます。

また、社員やチーム全体を把握し導くマネージャーの立場は、今後もなくなることはありません。

マネジメントスキルを身につけていれば、機械化や自動化が進む社会でも需要のある人材として生き残ることができるでしょう。

英語力

グローバル化が進んでいることもあり、将来性のある業界では海外進出する企業や外国人労働者、海外の顧客と連携する企業も増えてきました。

英語力のある人材は、多くの企業にとって価値のある存在です。

ビジネス英語を中心に、英語力を身につけておけば強い武器となるでしょう。

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まとめ

就職や転職の際、業界の将来性は重要なチェックポイントです。

将来性のある業界には、市場規模が拡大している、社会的な需要が高い、社会の変化に柔軟に対応できる、自動化や機械化が難しい、需要に対して人材が不足しているといった共通点があります。

IT業界をはじめとする機械を扱う業界や娯楽を扱うエンタメ業界、医療など生活に欠かせない業界は、今後も機械に仕事を奪われることなく続いていくでしょう。

一方で、事務職や士業、印刷・出版業界といった機械化によって衰退が予想される業界もあります。衰退する可能性が高い業界で働くなら、機械やAIに負けない特別なスキルを身につけ、市場価値を高める必要があるでしょう。

もちろん、将来性のある業界であってもスキルアップなどで自身の市場価値を高めることは重要です。

IT系のスキル、マネジメントスキル、英語力などを積極的に身につけ、これからの時代も活躍できる人材を目指しましょう！