ビジネスを変革するクラウドサービス Google Cloudとは?
スマートフォンの普及により、いつでもどこでもインターネットにアクセスできるようになった現代社会。「クラウド」という言葉を耳にする機会も多くなったのではないでしょうか?
クラウドとは、ユーザーがインターネットを通じてデータやソフトウェアを保管・利用するサービスです。従来は自分でコンピュータにソフトをインストールしたり、自社でデータを保管したりするのが一般的でしたが、クラウドではインターネットに接続するだけで、いつでもどこでも必要なときにサービスを利用することができます。
本記事では、さまざまなクラウドサービスの中から「Google Cloud」について紹介します。普段、Googleを利用する方も多いかと思いますので、興味がある方はぜひ最後までご覧ください!
目次
Google Cloudとは
Google Cloudとは、Googleが提供するクラウドサービスで、ストレージや機械学習、ビッグデータ処理など多種多様な最新のテクノロジーがインターネット上で提供されています。ユーザーは物理的なサーバーを設置する必要がないため、費用を大幅に抑えることができ、Googleの先進的なセキュリティとプライバシー保護機能により、安心してサービスを利用することができます。一方で、Google Cloudを効果的に活用するには、適切な知識や技術を習得しなくてはなりません。そのため、それらの知識や技術の習得をサポートする機能も提供されています。
ストレージとは、データを保管する場所です。インターネット上のデータ保管場所はオンラインストレージといいます。
機械学習とは、人間の学習能力と同じ機能をコンピュータで再現する技術です。AIを支える技術の1つでもあり、「ML(Machine Learning)」とも呼ばれています。
Google Cloudの成り立ち
Google Cloudは、Google社が自らの巨大なデータセンター(※)で多種多様なサービスを提供するために開発・適用してきた多数の技術をベースに成り立っています。その最初のサービスは2008年に公開された「Google App Engine」で、開発者がアプリケーションを構築し、Google上で提供することを可能にしました。2010年には「Google Storage for Developers」を公表し、開発者がデータをGoogle上に保管できるようになりました。
これは後に「Google Cloud Storage」と改名され、広く利用されています。2012年には「Google Compute Engine」が公表され、仮想サーバーの提供を開始しました。2016年には、公式にブランド名を「Google Cloud」に変更し、その全体的なビジョンとして、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援する方針が強調されました。その後、さまざまな新サービスが続々とリリースされ、Google Cloudは多機能なクラウドサービスとして急速に成長し続けています。
現在では、Amazon Web Services(AWS)とMicrosoft Azure(Azure)に次ぐクラウドサービスとして地位を確立し、世界中の企業から絶大な信頼を得ています。
※データセンターとは、各種コンピュータやデータ通信装置を設置・運用する施設。日本のデータセンターは2023年3月、千葉県印西市に開設されました。
Google Cloudのメリット
Google Cloud(GCP)のメリットは、特に企業や開発者にとって多くの利点があります。ここでは、Google Cloudのメリットを5つ紹介します。
1.信頼と安全性
Google社が提供するサービスをそのまま利用できるため、非常に高い信頼性と安全性を確保しています。また、データセンターを世界中に分散して設置しており、地域による影響を最小限に抑えています。
2.カスタマイズ性
Google Cloudは使用する環境を自由にカスタマイズすることができます。ビジネスのニーズに応じて最適な環境を設定することで、効率的にシステムを運用することが可能になります。
3.拡張性
Google Cloudは利用しているサービスの機能や性能を即座に拡張することができます。例えば、大規模なデータ量の増加に伴うサーバーの容量不足に対して、ストレージ容量や通信速度などを変更することで、迅速に対応することが可能になります。
4.開発者向けツール
ソフトウェアやアプリケーションを簡単かつ効率的に開発できるツールが充実しており、さまざまな分野に対応しています。
5.費用対効果
Google Cloudには「Free Tier(無料利用枠)」があり、本格的な利用前にサービスの品質を確認することができます。また、料金は従量課金制で、利用したサービスに対してのみ料金が発生するため、無駄なコストを削減できます。
Google Cloudのデメリット
Google Cloudには多くのメリットがある一方で、いくつかデメリットも存在します。ここでは、その中から3つを紹介します。
1.マニュアルに一貫性がない
Google Cloudの機能や仕様に関するマニュアルは豊富にありますが、その質に一貫性がなく、内容の質がバラバラです。特に新機能やマイナーなサービスについては、説明が雑だったり、掲載情報が古かったりすることもあります。
2.互換性がない
Google Cloudに対応するサービスやツールが限られているため、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure(Azure)に比べて、既存のソフトウェアやアプリケーションへの移行が難しく、移行する際には手間と時間がかかってしまいます。
Google Cloudの主要サービス
ここでは、Google Cloudの主要なサービスについて紹介します。
1.Google Cloud Storage[GCS]
大量のデータを安全かつ低コストで保存・管理することができるオンラインストレージサービスです。ストレージ容量は基本的に無制限のため、映像や写真、ユーザー生成のコンテンツ、バックアップデータなどのデータを大量に扱うビジネスでも十分対応しています。また、他のサービスとも直接結びついているため、データ分析や機械学習などのテクノロジーと同時に利用することができます。このサービスはGoogleのネットワークを利用しているため、世界中どこからでも高速でアクセスすることが可能です。
2.Google Cloud AI Platform[GCAP]
機械学習モデルの作成から学習、予測までを統合的に行うことができるサービスです。これを活用することで、モデルの訓練からデプロイ(※)まで全ての機械学習を統合的に管理することができます。
※デプロイとは、作成したシステムをユーザーが利用できる状態にすること。
3.Google Big Query[GBQ]
ビッグデータを解析することができるサービスです。急速に増え続けるデータ量を素早く正確に分析できるため、マーケットの動向把握やビジネス戦略の策定などさまざまな場面で利用されています。
Google Cloudの利用準備
Google Cloudを利用する前に、アカウントの作成方法や料金体系について理解しておきましょう。
1.アカウントの作成方法
Google Cloudの利用にはGoogleアカウントが必要です。すでにGoogleアカウントをお持ちの方は、そのアカウントでGoogle Cloudにログインできます。持っていない方は、Googleの公式ページから「Googleアカウント作成」と検索し、必要な情報を入力してアカウントを作成しましょう。
次に、Google Cloudの公式ページから「Get started for free(無料で開始)」をクリックします。画面に従って情報を入力することで、無料で利用できるようになります。
2.料金体系
Google Cloudは従量課金制で、利用したサービスに対してのみ料金が発生します。具体的な料金についてはGoogle Cloudの公式サイトの「Pricing(料金)」セクションで確認してください。また、Google Cloudには無料利用枠があり、一部のサービスを使用量上限まで無料で利用することができます。
一方で、複数のサービスを併用すると予想以上に高額な料金が発生したり、長期あるいは大量利用する場合には、通常よりも割安になったりします。利用するサービスと予想される使用時間などをもとに「Pricing calculator(料金計算ツール)」で料金を見積り、計画的に利用すると良いでしょう。
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また、通信制大学での学びを通じて、AI・機械学習の基礎から応用までを学ぶことができ、クラウドコンピューティング、データベース、ネットワーク、プログラミングなどの基本スキルを身につけることで、Google Cloudの高度な機能を効果的に利用できるようになります。
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まとめ
Google Cloudの最大のメリットは、高いパフォーマンスとセキュリティ、先進的なAI・機械学習技術、コスト効果、そして柔軟性です。
あらゆる業界や企業において、組織の働き方や業務プロセスなどを変革し、さまざまな課題を解決することを可能にします。
あらゆる仕事でデジタル化が求められるこの時代。Google Cloudなどのクラウドサービスを活用してデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組み、新たな価値を創出できる人材を目指しましょう。