働きながら大卒資格を取得するには?取得に必要な学費や期間も解説
既に社会に出て働いているものの、大卒資格がないために足踏みしてしまっていたり、キャリアアップの機会を逃してしまったりしている方、または社会人として働きつつ大卒資格取得を目指したい方など、何かしらの理由で「大卒資格を取りたい」と考えている方は多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、働きながら大卒資格を取得する方法について解説していきます。
大学資格の取得方法、働きながら大卒資格を取得する方法、通信制大学にかかる学費、期間など基本的な部分をお伝えしつつ、大卒資格を取得するメリットについても解説します。
働きながら大卒資格を取得したいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
大卒資格の取得方法
大卒資格を取得する、という文章に引っ張られて「大卒認定試験を受けるのか!」と考えてしまう方もいるかもしれませんが、実は違います。
大卒資格を取得するには、大学を卒業する、夜間部や通信課程を卒業する、専門学校の併修制度を利用するなどの方法しかありません。
「大卒認定試験がある」と勘違いされてしまうのは、「中卒認定試験」「高卒認定試験」などが存在することから、大学にも同様の制度が用意されていると思ってしまうことが理由であると考えられます。
大卒資格は大学に相当する課程を経て取得できるということを覚えておきましょう。
働きながら大卒資格を取るには?
現在日本では「リカレント教育」を推進しており、社会人が学修の機会を得られるよう国として動いているのをご存知でしょうか?
リカレント教育とは、義務教育を終え社会人として働き始めた後であっても教育機関に戻り再び何かを学べるというシステムのことを言います。
欧米のように、日本でもリカレント教育を推進してより多くの人々に教育の機会を提供するよう変化してきました。そのため、既に働いている社会人であっても、就労を続けながら改めて勉学に励むことができるのです。
実際に働きながら大卒資格の取得を目指すには、3つの方法があります。
- 通信制大学に通う
- 夜間大学に通う
- 大学改革支援・学位授与機構に申請する
それぞれ詳しく解説します。
通信制大学に通う
1つ目は通信制大学に通うことです。
通信制大学の場合、テキストなどを用いて自ら計画し自己学修を進めるのが主な内容となります。補助的に対面授業(スクーリング)やオンライン講義を導入することもありますが、基本的に自分で計画を立てて学修することになるのが大きな特徴です。
仕事のスケジュールに合わせ、帰宅後や休憩時間などを活用しながら学修を進められるのが大きなメリットと言えるでしょう。
通信制大学は、大きく2つのタイプに分けられます。
通信制大学のタイプ | 大学の例 |
---|---|
通信課程のみを設けている通信制大学 | 放送大学 サイバー大学 など |
私立大学の通信教育課程 | 早稲田大学人間科学部eスクール 法政大学通信教育部 など |
夜間大学(大学二部)に通う
2つ目は、夜間大学(大学二部)に通う方法です。
夜間コースの場合講義が18:00以降に始まることが多く、仕事終わりに学校に通うことができます。ただし、夜間大学(大学二部)は1回あたり90分の講義を毎日2~3コマ受ける必要があるため、周囲の協力を得つつ体力をもたせられる方でないと通学や卒業が難しいでしょう。
夜間大学(大学二部)で大卒資格を取得できる首都圏の大学
大学名 | 学部・学科 |
---|---|
電気通信大学(東京都) | 情報理工学部 |
國學院大学(東京都) | 神道文化学部 |
駒澤大学(東京都) | 法学部 |
専修大学(東京都) | 経済学部 法学部 商学部 |
東京電機大学(東京都) | 工学部 |
東洋大学(東京都) | 文学部 経済学部 経営学部 法学部 社会学部 国際学部 |
日本大学(東京都) | 法学部 |
埼玉大学(埼玉県) | 経済学部 |
聖徳大学(千葉県) | 児童学部 |
群馬大学(群馬県) | 工学部 |
前橋工科大学(群馬県) | 総合デザイン工学科 |
茨城大学(茨城県) | 工学部 |
大学改革支援・学位授与機構に申請する
3つ目は、大学改革支援・学位授与機構に申請する方法です。
大学改革支援・学位授与機構への申請は、以下のような条件に当てはまる方が利用できます。
- 大学を中退した(2年以上在籍・62単位以上を修得)
- 短大または高専を卒業した
条件に当てはまる方に限り、大学などで124単位のうち足りていない数を修得した上で必要な書類を提出し授与機構の審査をクリアすれば大卒資格を取得できます。
自分に必要な単位を取得できる通信制大学が良いでしょう。
通信制大学の学費
通信制大学の費用は、入学から卒業までに安く見積もっても50~70万円はかかると想定しておきましょう。大学によって、もっと高い場合もあります。
主な通信制大学の学費の例を以下にまとめました。
大学名 | 学費 |
---|---|
東京通信大学(情報マネジメント学部) | 1,274,000円~ |
放送大学(情報コース等) | 768,000円~ |
サイバー大学(IT総合基礎等) | 2,828,000円~ |
北海道情報大学(システム情報学科等) | 1,000,000円~ |
学費について調べてみると、近しい分野を学ぶとしても金額に大きな違いがあることがわかります。
また、私立大学の通信教育課程は多くの場合昼の部と同じく年間100万円程度です。4年間では400万円前後と、通信制大学と比べると学費が高い傾向にあります。
大卒資格取得にかかる期間
働きながら大卒資格を取得するためには、基本的に4年かかります。ただし、学校や個人の状況によってはそれ以上かかるなど差がある点に注意しましょう。
ここでは、大卒資格の取得にかかる期間について詳しく解説します。
標準在籍期間は4年間
通信教育と言っても、総合的にかかる卒業までの標準在籍期間は4年間です。
例えば他の通信制大学なら、2年次入学の場合最短で3年間、3年次入学の場合最短で2年間で卒業を目指せます。また、成績など一定の条件を満たした場合、それぞれ半年から1年ほど在籍期間を短縮することも可能です。
また、短大を卒業している方であれば最短2年で大卒資格を取得することも可能です。
標準在籍期間は4年間ですが、学校や個人の状況によって必要な単位や期間が異なる点を押さえておきましょう。
学校や状況によっては10年かかる例も
通信教育で大卒資格を取得するまでに10年程度かかる場合もあります。
例えば慶応義塾大学の通信教育課程や日本大学通信教育部は最長12年まで在籍できます。そのため、仕事を続けつつある程度ゆっくりのペースでも単位を少しずつ積み重ねることが可能です。
ただし、長期在籍の場合はそれだけ学費がかさむ点に注意してください。
大卒資格を取るメリットは?
最後に、大卒資格を取得するメリットについて解説します。
- 大卒資格が必要な求人に応募できる
- 大卒資格で昇進や収入アップが期待できる
- 大卒資格が必要な資格を受験できる
それぞれ詳しく解説します。
大卒資格が必要な求人に応募できる
1つ目のメリットは、大卒資格が必要な求人に応募できることです。
募集条件に大卒と書いてある求人に応募できるようになるので、目指せる就職先が増えるのは大卒資格を取得する大きなメリットと言えるでしょう。
大卒資格で昇進や収入アップが期待できる
2つ目のメリットは、大卒資格によって昇進や収入アップを狙えるようになることです。
以下の表に、学歴別の平均年収をまとめてみました。
学歴 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
高卒 | 約292万円 | 約213万円 |
高専・短大卒 | 約314万円 | 約258万円 |
大学・大学院卒 | 約400万円 | 約290万円 |
男女ともに学歴によって平均年収に差があることがわかります。
また、生涯賃金の平均においては男女合計の値で高卒は2億5,160万円、大卒は3億2,920万円です。
学歴だけで収入が決まるわけではないにせよ、可能性が上がる、狙いやすくなるというメリットはあると考えられるでしょう。
大卒資格が必要な資格を受験できる
3つ目は、公認心理士や図書館司書といった就職に役立つ資格を受験できるようになることです。
- 公認心理士
- 図書館司書
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- キャリアコンサルティング技能士
- 保育士
上記のような資格を始め、大卒資格が前提=必須となっている国家資格にも挑戦できるようになるのも大卒資格を取得するメリットです。
取得したい資格があるなら、大卒が必須なのか、または受験資格の緩和があるのかを調べておきましょう。
まとめ
働きながら大卒資格を取得するというのは、今の日本で推奨されている学び方の1つとなっています。
学びたいことがある、大卒資格が欲しいなど、理由があるのであればぜひ挑戦してみましょう。
仕事を続けながら大卒資格取得を目指すなら、通信制大学や夜間大学(大学二部)がおすすめです。
特に通信制大学なら、自分のペースやスケジュールで学修することができるため、社会人でも単位を取りやすいでしょう。
今後の挑戦やキャリアアップ、資格取得などに向けて、ぜひ大卒資格の取得に挑戦してみてください。