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2024.11.27
クラウド

クラウドとは何?種類や仕組み、導入するメリットを初心者向けに解説

デジタル化が進み、情報管理やセキュリティのためにクラウドサービスを使う企業や個人が増えています。

本記事では、クラウドとは何か、クラウドの歴史、普及と将来性、クラウドの種類や活用例、利用のメリットとデメリットを解説しつつ、おすすめのクラウドサービスも紹介します。

クラウドサービスの活用を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

クラウドとは?

クラウド(クラウド・コンピューティング)とは、デジタルデータをインターネット上で保管・利用する考え方を指すIT用語です。

インターネットなどのネットワークを通じて、サーバーやストレージ、ソフトウェアなどをユーザーに提供したり、必要なときに必要な分だけ引き出して使えるようにしたりしたものを「クラウドサービス」と言います。聞きなじみのあるものだと「Google Cloud」や「Microsoft Azure」などがその一例です。

クラウドが普及することで、ハードウェアの購入や端末へデータをインストールする手間を省くことが可能となり、オンライン上でソフトウェアを利用したり、データをやり取りしたりすることができるようになりました。

クラウドの歴史

クラウドは、1997年に南カリフォルニア大学のラムナト・チェラッパ教授によって初めて提唱されました。しかし当時は社会に普及することはなく、2006年にGoogleのCEOだったエリック・シュミット氏がクラウドについて言及したことをきっかけに、社会全体にクラウドという言葉と概念が広く浸透していきました。

各企業でサーバーやストレージを購入し、自分たちで管理、運用をおこなう「オンプレミス」という方式が一般的であった時代から、徐々にクラウドを用いてインターネット上に情報を保管し、運用する方式が主流な時代へと移っていきました。

クラウドは、インターネットの利用が当たり前の時代にマッチしたため、急速に社会全体に普及したと言えるでしょう。

クラウドの普及と将来性

総務省の「令和5年通信利用動向調査の結果」の「クラウドサービスの利用状況(企業)」から企業の約8割がクラウドサービスを利用していることがわかっています。

出典:総務省『令和5年通信利用動向調査の結果

また、利用の用途に関しては、「ファイル保管・データ共有」「社内情報共有・ポータル」「電子メール」が半数を超え、「場所、機器を選ばずに利用できるから」という理由が導入の大きな理由として挙げられています。

出典:総務省『令和5年通信利用動向調査の結果

出典:総務省『令和5年通信利用動向調査の結果

このように、クラウドを利用する企業は年々増加しており、そのうち約9割が利用効果を実感していることから、今後も利用数は増加すると予想されます。

クラウドサービスは、将来性のあるサービスと言えるでしょう。

クラウドの種類について

クラウドには大きく分けて3種類あります。

  • ソフトウェアを提供する「SaaS」(サース)
  • 開発環境を提供する「PaaS」(パース)
  • サーバー(インフラ)を提供する「IaaS」(イアース)

それぞれ詳しく解説します。

SaaS(サース)

SaaSは、Software as a Serviceの略で、インターネット経由でアプリケーションを提供するクラウドサービスです。

PCなどの端末やサーバーにソフトウェアをインストールせず、ブラウザ上などで利用できるもので、代表的なものにはオフィスソフトの「Microsoft Office 365」、Webメールの「Gmail」、オンラインストレージの「Dropbox」グループウェアの「サイボウズ」などが挙げられます。

Webメール、オンラインストレージ、グループウェアなどがSaaSに該当します。

PaaS(パース)

PaaSは、Platform as a Serviceの略で、主にアプリケーションの開発環境を提供するクラウドサービスです。

インターネット経由でアプリケーションを作動させるハードウェアやOSなどを一式揃えられるため、システム開発の環境構築を省き、手軽に開発環境の基盤ができます。

PaaSには使用するアプリケーションのOSをプログラムでカスタマイズできる特徴があり、高い専門知識があれば最適な環境構築も可能です。

代表的なPaaSには「AWS」(Amazon Web Services)「Microsoft Azure」などが挙げられます。

IaaS(イアース)

IaaSは、Infrastructure as a Serviceの略で、サーバーやネットワークを提供するクラウドサービスです。

IaaS上でサーバー、OS、メモリ容量などを自由に設定し、自社で使いやすいようにカスタマイズしたサーバーアプリケーションの実行環境を構築できます。

また、既存のシステムをIaaSへ移行することもでき、コンピューターのリソース拡張や縮小も自由におこなえます。

自由度が高いことが魅力ですが、IaaSはハイレベルな専門知識が求められるクラウドサービスです。

代表的なクラウドサービスと活用例

実際のクラウドについて、代表的なサービスと活用事例を5つ紹介します。

  • データ共有
  • 基幹システム
  • 業務の効率化
  • コミュニケーションツール
  • 人事評価システム

データ共有

データ共有は、クラウドサービスの中でも最も一般的な機能の1つです。

業務に必要なデータをクラウド上のサーバーに保存し、権限さえあればどこからでも、どの端末からでもアクセスできるようになります。

また、チーム内や社内での情報共有がスムーズになるため、利用する企業が多いサービスです。

【サービス例】

Dropbox

OneDrive

Google Workspace

基幹システム

基幹システムとは、企業の経理、人事、管理部門の業務支援サービスです。具体的には、勤怠管理システムや採用管理システムなどが当てはまります。

クラウド経由にすることで従業員の業務を共有でき、業務プロセスの構築やフォーマット策定などの業務に割くリソースを大幅に軽減できます。

企業内のネットワークに限らず、離れた場所にある拠点同士を、仮想的な社内ネットワークで繋ぐVPN通信と呼ばれる安全なデータ通信を使ってリモートワークに活用する企業も増えています。

【サービス例】

ZAC

freee

Infor

業務の効率化

クラウドサービスには、社内システムの連携によって業務の効率化を図るサービスがあります。

具体的には、ビジネスチャット、スケジュール共有、タスク共有、会計ソフトなどです。

クラウドシステムで連携をとることで、人的ミスの予防、自動化、ビッグデータの管理と活用などが実現し、業務の効率化に貢献しています。

【サービス例】

Chatwork

Backlog

マネーフォワード

コミュニケーションツール

クラウドサービスには、コミュニケーションツールとしての側面があります。

WebメールやSNSなども、データをクラウドで管理してやり取りするサービスであり、ビジネスシーンではWeb会議や名刺管理、グループウェアなどでクラウドが活用されています。

【サービス例】

Gmail

Outlook

X(旧Twitter)

Instagram

人事評価システム

人事評価は、紙媒体やExcelからクラウドに移行しているものの1つです。

紙媒体やExcel管理では情報が煩雑になってしまったり、評価の集計に時間がかかったりするデメリットがありますが、クラウドサービスを使えば人事評価の業務を効率化することができます。

評価基準の見える化、引継ぎの際の抜け漏れ防止、評価の一覧化などが簡単にできるため、人事評価のためにクラウドサービスを活用する企業は少なくありません。

【サービス例】

カオナビ

タレントパレット

あしたのクラウド

クラウドを導入するメリット

企業がクラウドを導入するメリットには、以下のようなことが挙げられます。

  • 導入や運用にかかるコストを大幅に軽減できる
  • 場所を問わずにデータにアクセスできる
  • 組織内や組織間でのデータ共有が簡単にできる
  • セキュリティシステムによってデータを安全に保管できる

それぞれ詳しく解説します。

導入と運用のコスト軽減

クラウドを導入することで、通信機器やサーバー準備にかかる導入や運用のコストを大幅に軽減できます。

また、設置後の運営にも専任スタッフが不要で、システム維持や管理をサービスの提供元がおこなってくれる点もメリットの一つです。

場所を問わないデータへのアクセス

クラウド導入後は、インターネット環境さえあればどこからでもデータにアクセスできるようになります。

PC、タブレット、スマートフォンとインターネット環境さえあれば、自宅や出先からでも会社の情報にアクセスできるため、時間短縮や業務の効率化に繋がるでしょう。

データ共有が簡単

クラウドサービスでは、データ共有を簡単におこなえます。大量のデータの共有にUSBを使ったり、メールで送受信したりするのは時間と手間がかかります。

データをクラウドで一括で管理し、共有できるようにすることで業務の効率化が図れるでしょう。

また、データごとにアクセス方法が異なるということもないため、スムーズな情報共有が可能です。

セキュリティシステム

クラウドサービスには高度なセキュリティシステムがあるため、データ保護の観点からも安心です。

クラウドサービスが発展するとともに、さまざまなセキュリティ要件が設定され、高度なセキュリティシステムも構築されていきました。

そのため、クラウドに保管しているデータは常に監視され、あらゆる脅威から常に守られています。

クラウドにはデメリットも

多くのメリットがあるクラウドサービスですが、一方で以下のようなデメリットもあります。

  • カスタマイズできる範囲が狭く、柔軟性に欠けることがある
  • 外部要因による予期せぬトラブルが発生することがある
  • 情報漏洩や紛失のリスクがある

それぞれ詳しく解説します。

柔軟性に欠ける

クラウドサービスは、提供元が定めたルールや形式にのっとって提供されています。そのため、自社のスタイルに合わせてカスタマイズすることができないため、柔軟性に欠けると感じることもあるかもしれません。

また、サービスによっては社内の既存システムとの互換性がなかったり、連携できなかったりといったこともあります。

クラウドサービスを導入する際は、自社のニーズに合ったものを導入するか、カスタマイズ性の高いサービスを選ぶと良いでしょう。

予期せぬトラブルの発生

クラウドサービスは多数の契約先があるため、システムのパフォーマンスが意図せず低下することがあります。

サービス提供側のトラブルによってデータにアクセスできなくなると、自社の業務が滞ってしまい、大きな損害に繋がるリスクがある点を抑えておきましょう。

もしもの場合に備えて、クラウドサービスにすべてのデータを任せず、重要なデータはバックアップするなどの対策をとるようにしましょう。

情報漏洩や紛失のリスク

クラウドサービスのセキュリティ対策は強化されていますが、それでも外部からの攻撃を受ける可能性がゼロではありません。

情報漏洩や紛失のリスクがあるのは、クラウドサービスを利用していても気を付けるべきポイントと言えるでしょう。

場合によっては、社内のオンプレミス型の方が情報漏洩のリスクを抑えられることもあります。

利用するクラウドサービスのセキュリティ対策やレベル、過去のトラブルについて、事前に確認しておくと安心です。

おすすめのクラウドサービス3選

実際に利用されているクラウドサービスのうち、3つをご紹介します。

  • Microsoft Azure(マイクロソフト アジュール)
  • AWS(アマゾン エーダブリューエス)
  • GCP(グーグル ジーシーピー)

Microsoft Azure(マイクロソフト アジュール)

Microsoft Azureは、マイクロソフト社が提供するクラウドサービスです。対応OSやプログラミング言語が豊富で、開発環境として利用されることが多いことも特徴です。

Azureについては、「Azure とは」で詳しく解説しているので、気になる方はぜひ併せてご覧ください。

Microsoft Azure(マイクロソフト アジュール)の特徴

  • Microsoft製品との連携がスムーズ
  • Windows製品と操作感が近い
  • 行政で利用されるほどの堅牢なセキュリティを備えている
  • 中~大企業で利用されている
  • やや専門性が高く、初心者には扱いきれないことがある

AWS(アマゾン エーダブリューエス)

AWSとはAmazon Web Servicesの略で、Amazonが提供するクラウドサービスです。世界で最も利用されているクラウドサービスと言われており、100を超える豊富なサービスを備えています。

AWS(アマゾン エーダブリューエス)の特徴

  • カスタマイズ性に優れている
  • エンジニアなどITスキルを持った従業員がいる企業におすすめ
  • 個人でも利用できる
  • サービス提供実績が長く、ユーザーも多い
  • 世界で最も選ばれ続ける堅牢なセキュリティを備えている

GCP(グーグル ジーシーピー)

GCPとはGoogle Cloud Platformの略で、Googleが提供するクラウドサービスです。

AIや機械学習系のサービスやデータ分析基盤などに強く、最新技術を扱う企業におすすめです。

GCP(グーグル ジーシーピー)の特徴

  • さまざまなサービスを提供してきた提供元であり安心して利用できる
  • AIや機械学習に強い
  • データ分析の基盤構築に強い
  • クラウドサービスとしては後発
  • Googleが提供するサービスと連携し構成されているため、データ分析しやすいインフラが整っている

IT、デジタル知識を身につけるなら、開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)

開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)は、2026年4月開設予定の通信制の学部です。完全オンラインで学べるため、一度も通学することなく大学を卒業することができ、卒業時には大学卒業の証である「学士(情報学)」の取得が可能です。

年間学費は25万円と学び始めやすい学費設定で、授業は1回15分のオンデマンド授業(事前録画型)のため、いつでもどこでも学ぶことができます。

これからの時代、ITやデジタル技術を身につけていることは、働くうえで非常に重要となっていきます。特に、クラウドサービスの活用は、企業のデジタル化や効率化を推進するために欠かせないため、その知識を身につけておくことで自身の市場価値を高めることにも繋がります。

情報デザイン学部(仮称・設置構想中)では、AI・機械学習の基礎から応用までを学ぶことができ、クラウドコンピューティング、データベース、ネットワーク、プログラミングなどの基本スキルを身につけることで、クラウドサービスの高度な機能を効果的に利用できるようになります。

クラウドをはじめとする、AIやITの知識について深く学びたいなら開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)がおすすめです!

まとめ

「クラウド」とは、デジタルデータをインターネット上で保管・利用する考え方のことを指します。

そして、インターネットなどのネットワークを通じて、サーバーやストレージ、ソフトウェアなどをユーザーに提供したり、必要なときに必要な分だけ引き出して使えるようにしたりしたものを「クラウドサービス」と言います。

情報化社会の現代では、多くの企業がクラウドサービスを利用しており、年々普及率は増加しています。

クラウドサービスは、今後も需要が高まると同時に利用率も増えていくと予想されるでしょう。

クラウドにはソフトウェアを提供する「SaaS」、開発環境を提供する「PaaS」、サーバー(インフラ)を提供する「IaaS」の3種類があり、導入の際は自社のニーズに合わせて選ぶ必要があります。

どのサービスを選べば良いのか悩んでしまう場合は、本記事で紹介したMicrosoft Azure、AWS、GCPなど大手のクラウドサービスを選ぶと良いでしょう。

特に、SaaSである「Microsoft Office 365」「Gmail」「Dropbox」「サイボウズ」などは企業にとって最も導入しやすいクラウドサービスです。

クラウドサービスはデータ共有、基幹システム、業務効率化、コミュニケーションツール、人事評価システムなどで活用されており、導入した企業の約9割が効果を実感しています。

クラウドには多くのメリットがあり、導入を検討する企業も少なくないでしょう。一方で、デメリットやリスクがあることも知っておかなければなりません。

適切かつ安全にクラウドを利用し、効率よく業務をこなせるデジタル人材を目指しましょう!

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