通信制大学は学歴にならない?就職活動での評価やメリットを解説
近年、新たな学びの場として注目を集めている通信制大学。しかし、実際に就職活動において通信制大学卒がどのような評価を受けているのか、具体的に把握している方は少ないのが現状です。
本記事では、通信制大学を卒業した場合の就職活動における特徴やメリット、どのような方が通信制大学に向いているのか、通信制大学に対する誤った認識などについて解説していきます。
通信制大学で何かを学びたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
就職活動における、通信制大学の学歴の扱い
まずは通信制大学を卒業した場合、就職活動における学歴について解説します。
- 通信制大学と通学制大学は卒業すればどちらも「大卒」
- 履歴書には大学卒業として書いて良い
通信制大学は大卒という学歴になる
通信制大学はれっきとした大学であるため、卒業すれば学歴上「大卒」の扱いになります。
通信制大学を卒業すると学士が授与されるため、学歴は大卒となり「大卒以上」が応募条件になっている求人にも応募できるようになります。
就活活動時に履歴書に書くことも可能
通信制大学は通学制大学と同様、文部科学省に認可されている正式な大学なので卒業すれば大卒となります。そのため、履歴書にも「大卒」と記載することが可能です。
ただし、履歴書に通信制大学卒業を記載する場合は「通信制大学」であることがわかるように書く必要があります。
例:○○大学××学部☆☆学科(通信教育課程) 卒業
卒業見込みの場合は「卒業見込み」、在学中なら「現在■年次に在学中」のように記載すればOKです。
また「通信教育過程」という記載については大学ごとの正式名称で書くと良いでしょう。「通信教育課程」「通信教育部」など、大学によって名称が異なる点に注意してください。
就職活動における通信制大学の特徴
就職活動における通信制大学の特徴として以下が挙げられます。
- 大卒が応募資格になっている求人にも応募できる
- 自己管理能力について高い評価を得られる
- 卒業に至るまでの想いと具体性は自己PRの強みになる
それぞれ詳しく解説します。
大卒として扱われる
通信制大学を卒業すれば通学制と同じく「大卒」として扱われます。
そのため、大卒以上が応募資格となっている求人にも挑戦することができるので就職の幅を広げることが可能になります。
自己管理能力が評価されやすい
通信制大学卒業という学歴から、自己管理能力の高さが評価されやすい傾向があります。
通信制大学の場合、自分自身で履修のペースや学修の継続、単位取得などを管理する必要があります。通学制のように友人と一緒に通学して講義を受けるという学修スタイルではないため、自分自身でモチベーションを保ち、学修状況等を管理する必要があります。
それゆえに、通信制大学卒となると高い自己管理能力があると判断されるのです。
社会人として、自己管理能力は高いに越したことはありません。通信制大学卒であることを活かし、タスク管理や計画性などをPRできれば就職活動においては大きな強みとなるでしょう。
自己PRに具体性がある
通信制大学で、明確な目標や目的をもって学修してきたということは、就職活動において強いアピールポイントとなります。
例えば「スキルアップやキャリアアップのために専門的な知識を身に付けるべく、社会人になってから通信制大学に通った」「大卒資格を取得して希望する職種への就職を目指したかった」など、強い想いのもとで学び続けたということは、それだけでも強いPRです。
実際に学ぶ中での苦労など具体例を交えて想いの強さをアピールできれば、企業からも魅力的な人材であると感じてもらえるでしょう。
通信制大学に向いている人の特徴
通信制大学に向いているのは、以下のような特徴に当てはまる方です。
- 学歴にコンプレックスがある
- 学歴が足りず希望する職種に応募できない
- 大学卒でしか得られない特定の資格を取得したい
- キャンパスに通わず自分のペースで学びたい
学歴にコンプレックスがある
学歴にコンプレックスがあったり、学歴が足りず希望する職種に応募できない方は、通信制大学で大卒資格を取得することで自分に自信が持てるようになり、希望する職種に挑戦できるようになるため、おすすめです。
通信制大学なら、働きながらでも大卒資格を取得できます。新たな知識やスキルを身に付けることもでき、卒業後には将来への期待値が大きく上がるでしょう。
特定の資格取得を目指している
大卒が必須となっている特定の資格を取得したい方も、通信制大学で大卒資格を取るというのはおすすめの方法です。
大卒が必須の資格には、以下のようなものが挙げられます。
- 教員
- 税理士
- 国家公務員総合職
- 米国公認会計士
- 国会議員政策担当秘書
- 医師
- 獣医師
- 薬剤師
- 臨床心理士
- 医学物理士
上記のような国家資格の取得には、必要な単位を大学で取得しておく必要があります。通信制大学でも必要な履修を修めることができるので、活用すると良いでしょう。
自分のペースで学びたい
通信制大学は、通学制の大学と違って基本的に通学の必要はありません。コースや学部によっては数回のスクーリング(通学)が必修となっていることもありますが、一切通学なしで卒業できるコースもあります。
働きながら学びたい方やキャンパスが遠くて通えない方など、自分の都合に合わせて学修を進めたいという方には通信制大学はピッタリです。
スクーリングの有無については、大学、学部、コースによって異なるため入学前に必ず確認しておきましょう。
通信制大学に対する誤った認識
通信制大学に関しては、いまだに正しく認識されていないことが多いです。よくある誤った認識として、以下のようなことが挙げられます。
- 通信制大学は通学制大学と比べてレベルが低い
- 卒業することが極端に難しい
- 通信制大学は大卒として認められない
ここでは、このような認識が誤りである理由について解説していきます。
通信制でも通学制と同じ教育機関
通信制大学はレベルが低いと思われることが多々ありますが、実際はそのようなことはありません。通信制でも通学制でも、どちらも専門的な知識を学ぶことのできる「大学」という教育機関です。
通信制大学が低レベルだと勘違いされる理由は、偏差値が存在しないことにあります。一般的に教育機関は偏差値によってレベルが分かるようになっていますが、通信制大学の場合、入試がないことが多いため偏差値等で分ける必要がありません。
そして偏差値がないことによって、「誰でも入学できる低レベルな大学」と思われてしまうのです。
しかし実際の履修内容は通学制の大学と同等であり、通信制大学であってもきちんと専門的な内容を学ぶことができます。
通信制大学を卒業することは決して難しくない
通信制大学を卒業することは難しい、と考えている方は少なくありません。しかし、実際には通信制大学を卒業することは決して難しいことではないのです。
通信制大学の卒業が難しいとされる理由に、モチベーションの維持や計画性、自己管理の難しさが挙げられます。
しかし、多くの学生は明確な目的を持って入学するため卒業までモチベーションを維持し、履修管理などもきちんとおこなっています。
また、計画性や自己管理についてはある程度大学のサポートを受けることも可能な場合があります。計画性や自己管理に自信がない方でもサポート制度などを活用すれば、通信制大学を卒業することは難しくないでしょう。
通信制大学は国の認可を得た大学である
通信制大学は、文部科学省から認可を得た正式な大学です。そのため、卒業すれば通学制の大学と同様に学士が与えられ、大卒として扱われます。
通信制大学を卒業してアピールできること/通うメリット
通信制大学は、働きながら学びたいという方や、通学せずに大学を卒業したいという方にとって最適な教育の場と言えます。
そんな通信制大学を卒業後、アピールできるポイントや通うことによるメリットには以下のようなことが挙げられます。
- 大学での履修が必要な資格を取得できる
- 高い自己管理能力が身に付く
- 継続力や計画性が身に付く
それぞれ詳しく解説します。
大学で資格を取得できる
通信制大学の中には、在学中に資格を取得できるところもあります。また、大卒資格が必須の資格試験を受けることができます。
- 日商簿記
- ファイナンシャルプランナー
- MOS
- ITパスポート
- 秘書検定
- TOEIC
資格取得は卒業後の就職活動にも有利であったり、希望する職種で役立ったりするので積極的に取得を目指すと良いでしょう。
しかし、あくまでも大学では資格取得ではなく大学卒業を第一の目標とし、プラスアルファとして自分の知識を深めるために資格取得を目指すのがおすすめです。
自己管理能力が身に付く
通信制大学で学修する中で、自己管理能力が身に付くというメリットがあります。
履修管理、講義への出席、テスト勉強、テストの日程把握など、自分自身でやることを把握・管理しなければなりません。
体調不良や仕事の都合、プライベートの用事なども交えて自己管理するということは、社会に出たときの強みとなります。
企業は自己管理能力が高く自己判断ができる、物事をよく考えて積極的に動ける人材を魅力的に感じています。
通学制の大学と比べると、通信制大学のほうがより高い自己管理能力が求められるため、就職活動においてもアピールできるポイントとなるでしょう。
継続力や計画性が身に付く
通信制大学の卒業には、継続力と計画性が求められます。
オンラインの講義を自主的に受け続ける通信制大学では、通学制のキャンパスライフのような人との関わりの中で発生する変化や刺激は、多くはありません。そんな中で、やる気を維持しながら学修を計画的に継続するのは困難なものです。
通信制大学を卒業できるということは、「数年にわたって1つのことに取り組むことができる」という大きな強みになります。これにより、就職活動においても高い評価を得られることが期待できます。
まとめ
通信制大学は文部科学省に認められた正式な大学であり、卒業すれば通学制の大学と同様に大卒の証である学士が得られます。
就職時に学歴に大卒として記載することもでき、通学制とは違ったアピールポイントも多いためメリットの多い大学であると言えます。
学歴にコンプレックスがある方、特定の資格取得を目指している方、自分のペースで働きながら学びたい方などは、通信制大学で大卒資格取得を目指すのがおすすめです。
就職の面接などでは、通信制大学の特徴と自分の具体的な経験を交えて自己PRすることで、強みをアピールできるでしょう。
通信制大学の卒業は通学制と同様に、大卒となるので、働きながら学士を取得したい方や通学なしで大卒資格を取得したい方はぜひ検討してみてください。