自己分析の方法10選!やり方や目的、志望動機・自己PRに活かすコツも解説
就活や転職など、仕事選びの際に重要な自己分析。自己理解を深め、自分にマッチした業界や職種を選ぶ際に役立ちます。
本記事では、自己分析の目的、メリット、タイミング、具体的な自己分析方法、活用のコツをお伝えしつつ、自己PRや志望動機を書く際に活用できる例文などをご紹介します。
就活や転職のために自己分析をしようと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
そもそも自己分析とは?
自己分析とは、自分自身が持つ経験や思考を整理し、価値観などを探る作業のことを言います。特に就活や転職においては、自分の強みや価値観を他者に伝えられるよう、理解しておくことが必要です。
自己分析をおこなうことで、自分の能力、性質、強み、弱み、価値観について知り、理想とする将来像について理解できます。
自己分析を実施する目的
自己分析をおこなう目的は、大きく分けて2つです。
- 自己理解を深め、自分の価値観、傾向、強み、弱みなどについて知る
- 将来像を具体的にし、キャリアプランを見つける
ここでは、自己分析をおこなう目的について解説します。
自己理解を深める
1つめの目的は、自己理解を深めることです。
自分の経験、考え方、性格、強み、弱みなどを項目ごとに言語化することで、自分自身について具体的に知ることができます。
これまでの経験や努力、身につけたスキル、どんなときに力を発揮できたかなど、自分の持つ能力や経験について整理することでより深く自分を理解できます。
自分自身を客観視しつつ自己理解を深めることで、より自分に合った業界選びや企業選びができるでしょう。
将来像の具体化
2つめは、将来像の具体化です。
自分が「将来どんなキャリアを築いていきたいのか」というキャリアプランを具体的にするために、まずは現状理解として自己分析をおこないます。
就活や転職の際の面接では、将来像について聞かれることがあります。自己分析を経て将来像を具体化しておけば、問題なく答えられるでしょう。
将来どうなりたいのかをきちんと考え、具体的にすることも自己分析の目的です。
自己分析を実施するメリットとは?
就活や転職において自己分析をおこなうメリットは、主に4つです。
- 自分の可能性や伸びしろを発見できる
- 今やるべきことがわかる
- 業界や企業選びで迷わない
- 入社後のミスマッチを防げる
自己分析をおこなうことで、自分自身でも気付いていなかった可能性や伸びしろを発見したり、強みを伸ばす、弱みを対策するなど、今やるべきことがわかったりします。
また、自己分析で自分について理解するほど、自分に合った業界や企業を選びやすくなり、入社後のミスマッチも防げるでしょう。
自己分析を実施するタイミングについて
自己分析を実施するタイミングはさまざまですが、特にいつやらなければならないと決まっているわけではありません。
就活に臨む学生なら「就活が本格化する前」「就活中」「内定獲得後」、転職活動なら、空き時間を活用して上手く自己分析を進めるのがおすすめです。
実際に就活や転職活動をしていく際に自分の中で変化が起きたり、新たな価値観に気付いたりすることは少なくありません。そのため、自己分析は1回きりではなく時期を見て複数回おこなうと良いでしょう。
自己分析の方法
自己分析の方法はさまざまです。ここでは、自己分析の主な方法について解説します。
まずは自分に合っていそうなものから始めてみましょう。
自己分析の方法 | 概要 |
自分史 | 自分の人生を振り返り、これまでに得たスキルや能力、経験などについて具体的に整理する。 |
マインドマップ | 「自分」に関連するあらゆる要素を可視化し、自分について客観的に把握する。 |
「なぜ」の掘り下げ | 自分の経験から「なぜ」を深掘りすることで自分の新たな一面や価値観を発見する。 |
Will・Can・Mustフレーム | なりたい自分、今できること、今後必要なものについて洗い出し、具体的なキャリアプランを作る。 |
他己分析 | 他者から見た自分について知り、他の自己分析の結果に説得力を持たせたり新たな自分の側面について知ったりする。 |
ジョハリの窓 | 自己認識と他者認識のズレを整理し、理解する。 |
ライフラインチャート | 過去の成功体験や失敗体験に点数をつけ、自分の感情の変化について可視化する。楽しめる仕事や熱中できる仕事の発見に役立つ。 |
自己分析ツール | 専門的な視点から診断を受け、自分を客観的に分析する。適職やマッチ度の高い企業の提案を受けたり、スカウトされたりすることもある。 |
性格診断ツール | MBTI診断などの性格診断ツールを用いた自己分析のツール。質問に答えるだけで完結するので、気軽にできる自己分析の1つ。 |
キャリアアドバイザーに相談 | プロの視点と知識から、自分の方向性を定めるためのサポートが受けられる。就活の軸を決めたり、自分に向いている業界や企業を絞ったりするのに役立つ。 |
自分史
自分史では、自分の人生を振り返ります。
これまでの人生で何をしてきたのか、また何を考えてきたのかなど、振り返りながら書き出していき、自分の人生を客観視する自己分析法です。
【手順】
①小学校から大学まで、印象的なできごとや取り組みを洗い出す。
②①で出した事柄について、何を考え、何を得たのか深掘りしながら書き出す。
【例】
時期(学年など) | 概要 | 詳細 |
小学生(中学年) | 中立的な立場で人間関係を取り持つ | 友人同士の喧嘩の仲裁に入り、両方の意見を聞いたうえで仲を取り持った。中立的な立場に徹し、両者に不満を残さない解決へ導いた。 |
小学生(高学年) | クラス全体の意見を取りまとめ行動に移す | 卒業に向けたレクリエーション活動でリーダーとなり、何をしたいかクラスで意見を募ったり実際に実行したりした。 |
自分史を作る過程で、自分がこれまでに経験したことやそれによって得た能力やスキルについて具体的にし、整理することができます。
マインドマップ
マインドマップでは、自分の思考を具体的にしていきます。
自分の中にある思考を蜘蛛の巣状に広げ、自分が普段「何を考えているのか」「大切にしていることは何か」「何を原理に行動しているのか」を明確かつ具体的にします。
【手順】
①「自分」など、中心となるキーワードを書く。
②「趣味」「やりたいこと」「苦手」など、中心としたキーワードから関連するキーワードを放射状に書き足して、繋げていく。
【例】
「なぜ」の掘り下げ
「なぜ」の掘り下げでは、自分のこれまでの人生や行動について「なぜ」と問いかけながら自己理解を深めていきます。
印象深い経験や、自分にとって重要だったできごとをピックアップし、「なぜ」という問いかけを繰り返して掘り下げていきましょう。
自分らしさとは何か、上手く文章化できないときなどに有効な自己分析の手法です。
【手順】
①印象的なできごとをピックアップする。
②①について、「なぜ」を繰り返し自問自答する。
③答えに基づいて自分のことを深く考える。
【例】
①高校から大学卒業まで、同じアルバイト先で働き続けた。
②「なぜ同じアルバイトを続けたのか」→アルバイト先に行くのが苦ではなかったから。
「なぜバイト先に行くのが苦にならなかったのか」→明るい人が多く、人間関係が良かったから。
「なぜ人間関係が良いのか」→自分の意見を言いやすかったり、質問もしやすかったりするから。
「なぜ意見や質問が言いやすいのか」→意見を言いやすい雰囲気だったことと、意見や質問をしても大丈夫という安心感があったから。
③自分は、「人間関係が良好で安心できる職場環境であれば長期的に働きたい」。
Will・Can・Mustフレーム
Will・Can・Mustフレームでは、自分の理想について具体的に考えます。
自分のなりたい姿(Will)、今できること(Can)、やるべきこと(Must)を洗い出す方法で、ビジネスにおいてはキャリアの方向性や取り組むべきことを明確にし、モチベーションを向上させるために活用される自己分析です。
【手順】
①Will=今後やりたいこと、やってみたいことを具体的に洗い出す。
②Can=今、自分ができること、持っているスキル、能力を洗い出す。
③Must=Willのために求められる、または必要とされる能力やスキルを洗い出す。
【例】
①Will=チーム目標の達成、顧客のニーズに合ったソフトウェアの開発
②Can=基本的な開発業務の自走、円滑なコミュニケーション
③Must=プロジェクトマネージャーとしての能力、新人プログラマーの育成
他己分析
他己分析では、自分以外の人から自分がどのように見えているのかを知ることで自己分析をします。
自分だけで分析を実施すると、どうしても偏りが出てきてしまいますが、他者からの評価を知ることでバランスを取ることができるでしょう。
【手順】
①友人や家族など、関わりの深い人に自分についてヒアリングをする。
- どのような人物か
- どのような性格か
- 強みや弱みは何か
- どのような仕事に向いていそうか など
②ヒアリング結果と自己分析の内容に共通点があれば説得力のある内容として、相違点があれば新たな特徴として自己分析に追加する。
ジョハリの窓
ジョハリの窓では、自己認識と他者認識のズレを理解できます。自己認識とは、自分が見た自分、他者認識とは、他者から見た自分のことです。
【開放の窓】自分も他者も気付いている要素 | 【盲点の窓】自分は気付いていないが、他者は気付いている要素 |
【秘密の窓】自分は気付いているが、他者は気付いていない要素 | 【未知の窓】自分も他者も気付いていない要素 |
【手順】
①自分自身から見た自分について、性格や資質に関する要素を書き出す。
②友人や家族など、他者に①について自分に当てはまる要素を選んでもらう。
③友人や家族など、他者から見た自分の性格や資質に関する要素を書き出してもらう。
④ジョハリの窓に、①~③で出た要素を分類していく。
【例】
【開放の窓】・行動力がある・明るいムードメーカー | 【盲点の窓】・頑固なところがある |
【秘密の窓】・真面目・慎重にものごとを進める | 【未知の窓】・ものごとを必ず最後までやり遂げる |
ライフラインチャート
ライフラインチャートでは、過去のできごとを整理しながら当時の気持ちの変化を可視化します。
成功体験や失敗体験に点数をつけ、グラフ化することで自分の感情について可視化し、自分が楽しめる仕事、熱中できる仕事について分析できる手法です。
【手順】
①過去のできごとを書き出す。
②①について、直感的にプラス・マイナスで点数をつける。
③時系列に点数を記し、線グラフにする。
【例】
・中学1年4月から成績が振るわず少し焦るが、部活で充実した日々
・高校は志望校に合格(高校1年4月)
・高校3年生のころは大学受験をするための勉強で忙しかった など
自己分析ツール
就活サポートサイトや転職サポートサイトなどにある自己分析ツールを使うと、直感的に質問に答えていくだけで誰でも簡単に自己分析ができます。
診断結果から、適職やマッチ度の高い企業を提案してもらえたり、スカウトを受けられたりするサイトもあるためぜひ活用しましょう。
おすすめの自己分析ツールについては「自己分析ツール」で詳しく紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
性格診断ツール
MBTI診断など、性格診断ができるツールを使った自己分析です。
質問に答えていくだけで、自分自身の性格や思考の傾向などを診断してレポートにしてくれるため、手軽に自己分析したいときにもおすすめです。
多くの性格診断ツールは、5分以内〜10分程度で完了します。
自分自身が知らなかった側面や、潜在的な思考についても知るきっかけになることがあります。
キャリアアドバイザーに相談
多くの就職支援をおこなっているキャリアアドバイザーに相談することで自己分析ができる場合もあります。
学部系統や業界、職種について豊富な知識を持っているため、カウンセリングを通して自分自身の方向性を定められるでしょう。
特に、就活を始めたての学生は軸が決まっていなかったり、自分に向いている企業の系統がわからなかったりするので、キャリアアドバイザーに相談するところから始めても良いかもしれません。
自己分析の結果を有効的に活用するコツ
自己分析で得た結果を有効活用するには、2つのコツを抑えておくことが大切です。
- 語彙力を身につけて、分析結果を正しく言語化する
- 自分の特性や強みを活かせる仕事を探す
語彙力を身につける
自己分析の結果を活かすには、語彙力を身につけることが重要です。
なぜなら、語彙力が備わっていないとせっかくの自己分析結果を他者へ伝えるための文章を上手く作れないからです。
自分の強みや特性を最大限アピールできるような語彙力を身につけることで、エントリーシートや面接で自分のことをきちんと企業に伝えられるでしょう。
また、語彙が増えるとコミュニケーション能力も向上するため、一石二鳥です。
自分の特性を活かせる仕事を選ぶ
自己分析結果をもとに、自分の特性や強みが活かせる仕事を探しましょう。
意欲だけで仕事を選ぶと、入社後にミスマッチを起こしてしまう可能性があります。自己分析で自分を客観的に見ることで、自分に合った仕事を選ぶことができます。
もし、どうしてもやりたい仕事がある場合は、自己分析で発見した「やりたい仕事をするために、今自分に足りないこと」を補うことに注力してください。
自己分析をもとに自己PRや志望動機を作成する際の例文
自己分析を通して自己理解を深めたら、自己PRや志望動機の作成にも活かしていきましょう。
ここでは、自己PRと志望動機の例文を紹介します。
自己PRの例文
私の長所は、急なトラブルにも冷静かつ適切に対処できるところです。
私は、大学で写真部の部長を務めていました。2年次の頃、文化祭の準備中に印刷機のトラブルがあり、展示予定だった作品の印刷が間に合わないかもしれないという事態に陥ったことがあります。そのとき、部長として冷静に状況を整理し、修理では間に合わないと判断して、他校の写真部に印刷機を貸してもらえないかと連絡をし、無事に印刷を間に合わせることができました。パニックになっていた部員を落ち着けつつ、冷静で適切な判断ができたと思います。
新しいことに挑戦し続ける御社でも、不測の事態に臨機応変に対処できるという強みを活かし、業務の円滑化に貢献したいです。
志望動機の例文
私は、マーケティングを通じて中小企業の優れた製品やサービスの認知拡大に貢献したいと考えています。
私は、高校の頃に○○という勉強のサポートサービスを利用していたのですが、認知が低く利用者が少なかったことで提供を終了してしまいました。受験を意識して勉強する中で、○○に支えられた部分は大きく、○○のサポートによって志望校に合格できたことを今でも感謝しています。
国内の中小企業には、○○のように多くの優れた製品やサービスがあるにもかかわらず、マーケティングが上手くできていないために認知が拡大していません。せっかくの良い商品が人々に知られず埋もれてしまうのはもったいないことだと感じています。
御社のように中小企業にフォーカスしたマーケティングをおこなっている御社であれば、私の想いを実現できると考え、志望しました。
IT業界で自分の希望する企業へ就職したいなら、開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)
開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)は、2026年4月開設予定の完全オンラインで学べる通信制の学部です。一度も通学せずに大学を卒業し、「学士(情報学)」を修得できます。
授業は全てオンデマンド(事前録画型の動画視聴)でおこなわれ、その中でも特徴的な授業の一つである『PBL演習』ではさまざまな企業と連携して、実際のビジネス現場での課題を扱い、その解決を目指していくことで「実践力」や「課題解決力」などが身につきます。
PBL演習では学生同士でプロジェクトを立ち上げ、チャットでディスカッションをおこないます。オンライン上でディスカッションをおこなうため、自分の意見を相手に伝えるのが直接会話をするよりも難しくなります。
「さまざまな案を思いつくのが得意」「自分の意見を相手に伝えるのが得意」「プログラミングなどの技術面が得意」や、反対に、「普段の会話ではコミュニケーション力があると思っていたが、非対面になるとテキストで簡潔に伝えたいことをまとめるのが苦手だった。」など、オンラインならではの発見もあるかもしれません。
ITスキルの基礎から応用までを学びつつ、実践的な授業の中で自分の得意/不得意を分析したい!という方は、開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)がおすすめです!
まとめ
自分に合った業界、職種、企業を選ぶために欠かせない自己分析。自分のことを深く理解でき、具体的なキャリアプランを立てるためにも役立ちます。
自己分析は、実施するタイミングが決まっているものではありません。就活が本格化する前、就活中、社会人なら転職活動を始める前、転職活動中でも良いでしょう。
複数の自己分析をおこなうことで、自分の現状を常に把握することができます。
自分史やマインドマップなど、直接手で書き込んでいく地道な方法はもちろん、自己分析ツールや性格診断ツールを使って手軽に自己分析をおこなうこともおすすめです。
また、自己分析結果を有効活用するには、自己表現をするための語彙力を身につけることや自分の特性や強みを踏まえて仕事選びをしたり、やりたい仕事のためにやるべきことを明確化したりすることが大切です。
自己分析をし、結果を活用することでミスマッチを防ぎ、自分が活躍できる仕事を見つけましょう!