コミュニケーションスキルとは?構成要素や高める方法を徹底解説
業界や職種を問わず、社会人の基礎として求められるコミュニケーションスキル。コミュニケーションスキルが高ければ仕事がスムーズに進められたり、良い結果を出しやすくなったりといったメリットがあります。
本記事では、コミュニケーションスキルの概要やコミュニケーションの手段、コミュニケーションスキルが高い人と低い人の特徴、コミュニケーションの要素などについてそれぞれお伝えします。
コミュニケーションスキルの必要性や基本について知りたい方、スキルアップの方法やどのように役立つのかを知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
コミュニケーションスキルとは?
コミュニケーションスキルとは、他者との情報共有や意思疎通を円滑におこなうための能力や技術を指します。
自分から情報を伝えるだけではなく、相手の発する情報を正しく受け取ることもコミュニケーションスキルに含まれます。
話し上手や聞き上手はそれぞれコミュニケーションスキルに含まれ、高度なコミュニケーションをおこなうためには両方のスキルが求められることを覚えておきましょう。
コミュニケーションの手段とは?
コミュニケーションの手段には、言語コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの2種類があります。
言葉を用いた会話などは「言語コミュニケーション」、言葉を用いない表情や仕草といったものは「非言語的コミュニケーション」にあたります。
言語コミュニケーションでは、書く、話す、読む、聞くという行動を通して情報をやり取りします。
一方、非言語的コミュニケーションでは表情、身振り手振り、声色といった要素から相手の情報をキャッチしたり、自ら情報を発したりします。
コミュニケーション能力を高めたい場合、言語コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの両方についてスキルアップを目指す必要があります。
コミュニケーションスキルが高い人の共通点
コミュニケーションスキルが高い人の特徴には以下のようなものが挙げられます。
- 聞き上手
- 相手の気持ちをくみ取れる
- 前向きな思考と発言
- 積極的に行動する
- 理解しやすい言葉選び
- 結論から話す
- 愛想が良い
- 相手に敬意を払っている
それぞれ詳しく見てみましょう。
聞き上手
他者の話をきちんと聞いて理解し、相手が話しやすい雰囲気づくりができることは、重要なコミュニケーションスキルの1つです。
相手が安心して話せる状況をつくることで、より深いコミュニケーションを取れるようになります。
信頼関係の構築にも繋がるため、コミュニケーションにおいて聞き上手であることは非常に重要です。
相手の気持ちをくみ取れる
言葉だけでなく、相手の表情や仕草などから、相手の気持ちをくみ取ることは高度なコミュニケーションスキルです。
相手の意図を正確に理解することで、ストレスやトラブルを最小限に抑えて円滑なコミュニケーションをとることができます。
前向きな思考と発言
他者とのコミュニケーションでは、明るく前向きな思考や発言が多いことも大切です。
前向きな思考や発言は周囲に良い影響を与え、信頼関係の構築にも繋がるでしょう。
ビジネスにおいても、前向きな思考や発言はチームや組織のモチベーションを向上させ、課題に対して建設的に取り組むための良い影響をもたらします。
積極的に行動する
積極的に行動する方は、他者と関わる機会もそれだけ多くなるため、コミュニケーションをとる機会も自然と増えます。その結果、コミュニケーションスキルが高くなる傾向があるのです。
また、積極的に行動できる方は他者との交流から多くの情報を得ることができ、交流で得た発想や柔軟な思考をもっていれば、優秀な人材として評価されるでしょう。
理解しやすい言葉選び
自分から相手に情報を伝える際、相手が理解しやすい言葉や文章を選んで構成することも優れたコミュニケーションスキルの1つです。
誤解を与えず、スムーズに理解してもらえる伝え方ができれば、プレゼンテーションや説明などの幅広いシーンで役立ちます。
結論から話す
結論を最初に伝え、その後から説明を加えて話せると、相手は内容を理解しやすくなります。
要点を簡潔に伝えられるため、共通認識が得られやすく、意思決定や業務がスムーズに遂行できます。
愛想が良い
愛想が良く、第一印象が良い方は高いコミュニケーションスキルを持っていることが多いです。
初対面でも親しみやすい雰囲気を持つ方の周りでは、自然と会話が増える傾向があります。
笑顔が多く愛想が良い方は他者にとって安心感を与える存在であり、コミュニケーションの場を自然と生み出す要因となります。
相手に敬意を持つ
相手に敬意を持って接することで、円滑なコミュニケーションが図れます。
相手の考えや意見を尊重し、その上で自分の意見も主張することを心がけることで、お互いに不快感のないスムーズなコミュニケーションが可能になります。
否定的な言葉を避け、肯定的な言葉を意識的に使うことで相手への敬意をより伝えやすくなるでしょう。
コミュニケーションスキルが低い人の共通点
一方で、コミュニケーションスキルが低い人にも共通点があります。
コミュニケーションスキルに自信がない場合、まずは以下のポイントを見直すことを意識してみてください。
- 相手の求めていることが理解できない
- 一方的に発言し続ける
- クローズドマインドでいる
- 否定が多い
- あいまいな表現をする
それぞれ詳しく解説します。
相手の求めていることが理解できない
相手が本当に求めていることを理解できない、またはくみ取れない場合、コミュニケーションスキルが低いと言えます。
理解できていないときに質問できるのならば良いですが、質問すらせずわからないままにしてしまうと仕事に支障をきたす可能性があります。
話したことを理解されないと、相手はストレスを感じてコミュニケーションが円滑に進まなくなります。その結果、信頼関係の構築が難しくなるというデメリットもあります。
一方的に発言し続ける
コミュニケーションスキルが低い方は、自分だけで一方的に発言し続けてしまいがちです。
片方だけが話し続けることは相互理解にはならず、信頼関係の構築にもつながりません。
一方的に話す人だと認識されてしまうと、相手の会話意欲が低下し、対話の機会を失うリスクが高まります。その結果、重要な情報を得ることができなくなる可能性もあります。
クローズドマインドでいる
相手のことは知りたがる一方で、自分のことは話さないクローズドマインドは、コミュニケーションが上手くいかない原因になります。
このような態度では、相手に一方的に情報を提供しているように感じられてしまい、不信感や不公平感を抱かれてしまう恐れがあります。
否定が多い
コミュニケーションスキルが低い人には、否定的な発言が多いという特徴があります。
相手の意見や感情に対して否定から入ると、相手にとって不快な会話になってしまいます。また、相手の話を遮ることも否定的に受け取られる可能性があるため注意が必要です。
このような態度は会話の機会を減少させ、相手からの信頼を得られなくなるといったデメリットがあります。そのため、会話の際に否定ばかりするコミュニケーションは避けるように心がけましょう。
あいまいな表現をする
情報を発信する際、あいまいな表現が多いと相手に正しく内容が伝わりません。
具体例や詳細を伴わない抽象的な表現ばかりで構成された文章は、相手に正しい情報を伝えられないため注意が必要です。
誤解を招くリスクもあるため、特にビジネスシーンでは具体的かつ明確な表現を用いるよう意識しましょう。
コミュニケーションスキルにおける6つの要素
コミュニケーションスキルは6つの要素に分けられます。
- 伝達
- 傾聴
- 論理的な表現
- 非言語の表現
- 非言語のくみ取り
- 印象
ここでは、コミュニケーションを構成するこれらの6つの要素について、それぞれ解説します。
伝達
1つめの要素は、書いたり話したりすることで、自分の考えや意思を相手に正しく伝えることです。
ものごとを円滑に進めるには、相手にとって理解しやすい言葉や表現を用いて情報や意図を伝えることが重要です。また相手の知識レベルに合わせた言葉選びなども、伝える力に含まれます。
情報や伝えたいことを正確に伝達することは、誤解なく効率的にコミュニケーションを進めるために欠かせない要素です。
傾聴
2つめは、相手の情報をキャッチするための聴く力です。
相手の話を遮らずに最後まで聞き、内容を正しく理解することで相手に対して敬意と真摯な姿勢を伝えることができます。
また、聴くことは表面的な言葉だけではなく、非言語領域の表情、声色、仕草といった情報から相手の本心をくみ取ることも含まれます。
論理的な表現
論理的な表現を用いて会話をすることで、相手に情報が正しく、わかりやすく伝わります。
筋道の通った文章で情報を伝えることで、相手はストレスなく内容を理解できるでしょう。
複雑な情報であっても論理的に伝えることで、相手の理解を深め、効果的かつ効率的な意思疎通を図ることは、あらゆるコミュニケーションにおいて重要です。
非言語の表現
表情、声、仕草、姿勢など、非言語の表現にも注目しましょう。
非言語の表現は、発信する側だけに求められるわけではなく、聞く側にも求められます。聞く側が頷いたり相槌を打ったり、相手の目を見て話を聞いたりすることで良い印象を与えることができます。
言葉以上に重要な意味や印象を与えることもある非言語の表現は、コミュニケーションの質を左右する重要な要素です。
非言語のくみ取り
相手が発信する言葉だけではなく、非言語の表現をくみ取ることも大切です。
言葉の裏に隠された真意をくみ取り、相手を深く理解するよう努めましょう。
円滑なコミュニケーションや良好な関係を築くだけでなく、嘘を見抜く力としても役立つスキルです。
印象
相手にとって好感の持てる人であることもコミュニケーションにおいて大切な要素です。
好印象な相手と印象の悪い相手では、同じことを依頼されたとしても取り組むモチベーションが異なります。好印象な相手からの依頼のほうが、前向きに取り組めるでしょう。
信頼関係や円滑な人間関係を築くためには、相手に好印象を与えるよう努めることも大切です。
コミュニケーションスキルが役立つ場面の例
実際に、ビジネスシーンではコミュニケーションスキルがどのように活かせるのか、具体的な場面を紹介します。
- 人間関係の構築と維持
- 効率的な会議
- トラブル対応
- 情報交換と共有
- 部下への指導や説明
人間関係の構築と維持
コミュニケーションによって得られる基本的な効果として、良い人間関係の構築と維持が挙げられます。
仕事を円滑に進めるには、チームや組織内で良い人間関係を構築して維持することが大切です。相手の話を聞き、理解すること、自分の意思や考えを正しく伝えることで、信頼し合える良い関係を築けるでしょう。
効率的な会議
会議を効率的に進めるためにも、コミュニケーションスキルは重要です。
他者の意見を正しく理解し、自分の意見や情報を正しく伝えることで無駄のない効率的な会議をすることが可能です。
また、説明が上手であれば参加者に納得してもらいやすくなり、より効果的な議論が展開されるでしょう。
トラブル対応
ビジネスでは、トラブル対応は避けて通れません。
トラブル対応では冷静な判断やコミュニケーションスキルが求められます。トラブルの内容を正しく把握し、適切な対応を行うだけでなく、再発防止についても相手に伝える必要があります。
相手が納得できるまで明確に説明するためには、高度なコミュニケーションスキルが不可欠です。
情報交換と共有
他者と情報交換や情報共有を行うとき、コミュニケーションスキルは重要な役割を果たします。
なぜなら、コミュニケーションスキルが乏しいと正しく情報を共有できないからです。
有益な情報や新たな情報を得たり、チームや組織で共有するには情報を正しく伝え、正確に受け取るスキルが欠かせません。
部下への指導や説明
部下への指導や説明では、コミュニケーションスキルが高いほどスムーズなやり取りが可能です。
部下に対して高圧的な態度をとったり、専門用語ばかりでわかりづらい説明をしたりするのではなく、相手の理解度に合わせて話せるスキルが求められるシーンは多いでしょう。
お互いが気分良く協力しながら仕事を進められる環境を作るうえでも、コミュニケーションスキルは非常に有効です。
コミュニケーションスキルを高める方法8選
コミュニケーションスキルを高めたいとき、意識して実行するべき8つの方法をお伝えします。
- 報連相の徹底
- 短時間で話す練習をする
- 声色やスピードを意識する
- 挨拶、お礼、謝罪を欠かさない
- 結論から話す
- ミラーリングを取り入れる
- オウム返しとパラフレーズ
- アクティブリスニング
それぞれ詳しく解説します。
報連相の徹底
ビジネスにおいて基本的かつ重要な、報連相(報告・連絡・相談)を徹底することはコミュニケーション能力を高めることに繋がります。
日常的に実践でき、他者とスムーズなコミュニケーションを図るために必要なポイントをつかみやすいからです。
上司、同僚、部下と報連相をこまめにおこなうことで、伝える力と聴く力を向上させることができるでしょう。
短時間で話す練習をする
短時間で話をまとめる練習をすると、コミュニケーション能力が各段に向上します。
効率的にコミュニケーションをとるには、短時間で相手に情報を正しく伝えることが重要です。数分で話の要点を伝え、相手を納得させられることは高いコミュニケーションスキルと言えるでしょう。
これはエレベータートークとも呼ばれる手法で、コミュニケーションスキルの向上にとても有効です。
声色やスピードを意識する
発言するとき、声色や話すスピードを意識することが大切です。これらは相手に与える印象を大きく左右するため、コミュニケーションを取る上で非常に重要な要素です。
適切な声色(トーン)とスピードで話すことで、相手にとって聴きやすく理解しやすい話し方になります。
意識的に声色やスピードを使い分けられると、より相手に伝わりやすいコミュニケーションが可能になるでしょう。
挨拶、お礼、謝罪を欠かさない
ビジネスに限らず、挨拶、お礼、謝罪を欠かさずにおこなえる人は他者からの印象が良くなります。
好印象をもたれるほど重要な情報の伝達や意見交換がスムーズになり、お互いに敬意を持った関係性を築けるでしょう。
たとえ話の構成や言葉選びが上手でなくても、普段から丁寧な挨拶、お礼、謝罪ができていれば相手は耳を傾け、理解しようと努めてくれます。結果として円滑なコミュニケーションが取れるでしょう。
結論から話す
自ら何かを発信するときは、結論から話すように意識しましょう。
結論を先に伝えることで、相手がメッセージの主旨を理解して興味や関心を持ちやすくなるからです。
また、結論を軸に、話す内容に優先順位をつけることで、意見や情報をより効果的に伝えることができます。
ミラーリングを取り入れる
ミラーリングとは、相手の動きや言葉をさりげなく真似することです。あくまでもさりげなく取り入れることで、相手は自然と自分に対して親近感を持ってくれ、人間関係の構築や信頼関係を築くことに繋がります。
ただし、ミラーリングを意識し過ぎてあからさまに真似すると、相手に馬鹿にされているように感じられる場合があるので注意が必要です。
ミラーリングは、少し上級者向けのコミュニケーション手法なので慎重に取り入れることを心がけましょう。
オウム返しとパラフレーズ
オウム返しは、バックトラッキングとも呼ばれるコミュニケーション手法です。相手の発言内容を繰り返すことで正しく理解しているかを確認して誤解を防ぎます。
パラフレーズは、相手の発言を自分の言葉に置き換えて再度表現することです。「つまり~ということですね?」と確認することがパラフレーズにあたります。
オウム返しとパラフレーズを会話に取り入れることで、相手の発信する情報を正しく理解していることを確認でき、誤解を防ぐことができます。
アクティブリスニング
アクティブリスニングは、積極的傾聴とも呼ばれる技法です。
相手の話を聞き、理解した内容を伝えることを含む高度なコミュニケーションスキルといえます。言語だけでなく、表情や声色といった非言語的な要素も捉えることが必要です。
また、アクティブリスニングでは相手の話を遮ったり、考えを評価したりせず、要約して返すことで情報を正しく受け取れたことを示すスキルも含まれます。
必要に応じて質問したり深掘りしたりすることも、アクティブリスニングのスキルとして挙げられます。
ビジネスに役立つコミュニケーションスキルを実践的に身につけるなら、開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)
開志創造大学 情報デザイン学部(仮称・設置構想中)は、2026年4月開設予定の完全オンラインで学べる通信制の学部です。一度も通学せずに大学を卒業し、「学士(情報学)」を修得できます。
授業は全てオンデマンド(事前録画型の動画視聴)でおこなわれ、その中でも特徴的な授業の一つである『PBL演習』ではさまざまな企業と連携して、実際のビジネス現場での課題を扱い、その解決を目指していくことで「実践力」や「課題解決力」などが身につきます。
PBL演習では学生同士でプロジェクトを立ち上げ、チャットでディスカッションをおこないます。オンライン上でディスカッションをおこなうため、自分の意見を相手に伝えるのが直接会話をするよりも難しくなります。
どのように相手に伝えれば、理解してもらえるかを考えながらチャットをするため、普段のコミュニケーションよりもさらに「思考力」や「表現力」が身につき、書くコミュニケーション力がアップします。
ビジネス現場ではメールやチャット形式の、非対面で連絡を取る場面が出てくるため、普段の生活ではなかなか身につけることが難しい、書くコミュニケーション力を情報デザイン学部で学び、ビジネス現場で役立つスキルを身につけてみませんか?
まとめ
ビジネスにおいて、基本であり重要なコミュニケーションスキルは、どのような立場であっても高いレベルであることが望ましいです。
コミュニケーションスキルには自らの意見や主張を発信する力だけではなく、聴く力や理解する力など、他者との会話や情報交換を円滑にするためのすべてのスキルが含まれます。言語と非言語の両方から、スムーズにコミュニケーションが取れるよう、トレーニングを重ねましょう。
またコミュニケーションスキルが高い人と低い人には、それぞれ共通点があります。コミュニケーションスキルを向上させたい場合、まずはスキルが低い人の共通点を確認し、自分の課題を見つめなおしましょう。その後、スキルが高い人の共通点を取り入れることで、スキルを効果的に向上させることができます。
人間関係の構築と維持、効率的な会議、トラブル対応、情報交換と共有、部下への指導や説明など、あらゆる場面で役立つコミュニケーションスキルを磨けば、自身の価値を高めることができます。
本記事で紹介したコミュニケーションスキルを高める方法を日常に取り入れ、意識的に実践することで、高度なコミュニケーションスキルを身につけましょう!