初心者におすすめのプログラミング言語は?選び方や独学での勉強方法を解説!
プログラミングを学びたいと考えても、どのようなプログラミング言語を選択すれば良いのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
本記事では、プログラミング初心者におすすめの言語や選び方、勉強方法について解説します。
これからプログラミングを学ぼうと考えている方や、プログラミング言語の選び方を知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
目次
プログラマーの種類と仕事内容
プログラマーとは、プログラミング言語を用いてさまざまなシステムを構築したりソフトウェアを作ったりする仕事、またその仕事に就いている人を指します。
プログラマーの役割は「バックエンド」と「フロントエンド」の2つに分けられます。
バックエンドはWebサイトやアプリケーションの裏側、つまりサーバー側のシステムを指し、データ処理や設計、他のサービスとの連携などの整備を担当する仕事です。
フロントエンドはユーザーが操作する部分の開発や動作整備を担当する仕事です。ユーザー目線で操作のしやすさ、見やすさ、使いやすさなどを考え、工夫します。
プログラマーの仕事はバックエンド、フロントエンドだけでなく、さまざまな分野に広がっており、担当する業務内容もそれぞれ異なります。
プログラマーの種類 | 概要 | 主な使用言語 |
---|---|---|
Webプログラマー | ・Webサイトを閲覧するユーザーから見える部分を担当する「フロントエンド」 ・ユーザーから見えない部分を担当する「バックエンド」 ・システム開発全般を担当する「フルスタック(複数の技術分野の知識やスキルを有している人)」 などがいる。 | ・PHP ・Ruby ・Perl ・Java ・JavaScript ・HTML/CSS |
ゲーム系プログラマー | スマホゲーム、PC向けオンラインゲーム、VRゲームなどさまざまなゲーム開発をおこなう。クリエイターとの連携が欠かせない。キャラクターの操作や動きのシステムを構築するために、数学、物理学、論理的思考力も求められる。 | ・C++ ・C# ・JavaScript ・Swift ・Ruby ・Objective-C ・HTML5 |
アプリケーションプログラマー | PCやスマートフォンで使えるアプリケーションのプログラミングを担当する。ソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク、データベースなどに関する幅広い知識が求められる。 | ・Java ・C ・C# ・Ruby ・PHP ・Swift ・Kotlin |
組み込み系プログラマー | 電化製品、自動車、電子機器などの制御に関するプログラム開発をおこなう。IoT(モノのインターネット)の普及に伴いニーズが高まっている。 | ・C ・C++ ・C# ・Java |
汎用系システムプログラマー | 膨大なデータを適切かつ安全に取り扱う。他のコンピューターと互換性のないメインフレームと呼ばれる大型コンピューターで情報処理をおこなう。 | ・COBOL ・Java ・FORTRAN ・RPG ・PL/SQL ・C |
オープン系プログラマー | ネットワーク内のすべてのコンピューターが必要な情報へアクセスできるオープンなシステムを構築する。 | ・Java ・C# ・C+ ・PHP ・Ruby ・Python ・JavaScript ・VB.NET |
通信系プログラマー | ネットワーク関連に特化した開発をおこなう。常に新たな通信技術を身につける積極的な姿勢が求められる。 | ・Java ・C ・C++ |
セキュリティ系プログラマー | 不正アクセス、ウイルス、サイバー攻撃などへの対策、セキュリティのためのネットワーク構築や機器導入を担当する。常に一定のニーズがある。 | ・C ・C++ ・JavaScript |
プログラマーについて、詳しく知りたい方はこちらも併せてご覧ください。
プログラマーに向いている人の特徴
次の特徴に当てはまる方は、プログラマーに向いていると言えます。
- 論理的な思考が得意
- 学習意欲や好奇心がある
- ものづくりが好き
- 柔軟な思考ができる
- 試行錯誤するのが苦ではない
- 規則やルールをしっかりと守る
- 協調性がありコミュニケーションが得意
- 計画性がある
- プログラミングを楽しめる
プログラマーには、ものごとを筋道立てて考える論理的思考や柔軟な思考が求められます。また、日々進化するデジタル機器やIT業界に対してアンテナを張る必要があるため、学習意識や好奇心を持ち続けることも大切です。
仕事では、エラーや顧客(クライアント)の要望に向き合う機会が多いため、さまざまな問題を解決するために試行錯誤するのが苦ではないことや、規則やルールを守れること、協調性やコミュニケーション力、計画性があるといった要素も重要です。
また、プログラミングを楽しめることもプログラマーに求められる要素と言えるでしょう。
初心者向け|プログラミング言語のおすすめ10選
Java(ジャバ)
Javaは非常に万能なプログラミング言語で、幅広い開発分野で利用されています。
安定した動作、セキュリティの高さ、後方互換性(※1)の高さなどが特長のプログラミング言語で、大規模アプリケーションであっても高速で動かすことができるため重宝されています。
文法が少し複雑なので、初心者が習得するには時間がかかるかもしれませんが、開発ツールやフレームワーク(※2)、初心者向け学習コンテンツは充実しているため、学びやすく、習得することは可能です。
日本において、Javaは就職活動や転職活動で圧倒的な需要があるため、習得してしまえばさまざまな仕事に繋げられるでしょう。
※1:後方互換性とは、システムやソフトウェアなどの新しいバージョンが、古いバージョンの機能を引き続き利用できること
※2:フレームワークとは、Javaを用いたシステムやアプリケーション開発をサポートするためのソフトウェアの骨組みのこと
【Javaでできること】
- Androidアプリケーション開発
- 業務系システム開発
- Webアプリケーション開発
- デスクトップアプリケーション開発
- 組み込み系システム開発
- IoTのシステム開発
Python(パイソン)
PythonはJavaに続き、幅広い開発分野で使われるプログラミング言語です。文法がシンプルで、直感的に理解しやすい構文であることなどから初心者向けの言語としても人気を集めています。
機械学習や計算のライブラリ(※)が充実しており、データ分析やAI(人工知能)の分野で活用されています。
※ライブラリとは、よく使われる処理がまとめられているもののこと
【Pythonでできること】
- Webアプリケーション開発
- 統計、データ分析
- 機械学習・AI
- 自然言語処理
- デスクトップアプリケーション開発
- IoTシステム開発
PHP(ピーエイチピー)
PHPはWebアプリケーション開発に特化したプログラミング言語です。HTML(※)の中に埋め込んで記述します。
Webサイトの動的な生成、入力フォームのデータ処理、データベースとの連携などを含む、バックエンド開発で広く使われています。
構文がシンプルで、HTMLに埋め込んで記述するため、開発中はWeb上での動作を確認しながら進めることができます。確認しながら進められるので、初心者でも楽しみながら学習を進められるでしょう。
※HTMLとは、Webページを作る際に使用する言語のこと
【PHPでできること】
- Webアプリケーション開発
Ruby(ルビー)
Rubyは、日本人のまつもとゆきひろさんが開発したプログラミング言語です。シンプルかつ理解しやすい構文が特徴で、豊富なライブラリもあるため初心者が初めて学ぶのに向いている言語として人気があります。
日本で誕生したプログラミング言語ということもあり、海外より国内での活用事例が多く、開発期間が短く済むという理由で主にスタートアップ企業で活用されています。
学習向けコンテンツも、日本語のものが多いことが特徴です。
【Rubyでできること】
- Webアプリケーション開発
- API作成(※1)
- スマホアプリ開発
- スクレイピング(※2)
※1:APIとは、異なるソフトウェアやサービスが互いに情報をやり取りできるようにするための仕組みのこと
※2:スクレイピングとは、Webサイトから自動で情報を集め、自分のコンピュータ等で使えるようにする技術や手法のこと
JavaScript(ジャバスクリプト)
JavaScriptは、主にWebアプリケーションのフロントエンド開発に用いられる言語です。主にHTMLやCSS(※)と組み合わせて使われます。
Webページ上の動的要素を担うプログラミング言語であり、ユーザーの操作によって表示内容を変えたりサーバーとの連携によってデータを取得して表示したりすることができます。
多くのプロジェクトで幅広く使われている人気の言語なので、習得しておけば色々な案件に関わることができるでしょう。
※CSSとは、HTMLと同時に使われることの多い、色や文字サイズなどの装飾を設定する言語のこと
【JavaScriptでできること】
- Webページに動的要素を加える
- Webアプリケーション開発
- ゲーム開発
- スマホアプリ開発
C言語(シー言語)
C言語はプログラミングの基礎として重要な言語です。ハードウェアの制御やシステムのプログラミングに適した言語として、幅広く活用されています。
文法自体はシンプルで、プログラミングの基本的な原則を理解・習得することができるため初心者向けです。アルゴリズムやデータ構造への理解を深めたい方にもおすすめです。
【C言語でできること】
- OSの開発
- 組み込みソフトウェア開発
- ソフトウェア開発
- 基幹システムの開発
- ゲーム開発
Swift(スウィフト)
Swiftは、アップル製品向けのアプリケーション開発に特化したプログラミング言語です。iOSアプリの開発で利用されています。
シンプルかつ直感的な文法が特徴で、初心者でも理解しやすいことが魅力です。
また安全性と性能の高さを両立しており、簡単なコード記述に対して実行効率が高いのもSwiftの強みです。
【Swiftでできること】
- Apple製品向けアプリケーション開発
- Webアプリケーション開発
- Webサーバーの作成
Go(ゴー)
Goは、Googleが開発したプログラミング言語です。シンプルな記述で、軽量かつ安定感のある動作が魅力です。
シンプルなので初心者でも理解しやすく、習得も早いでしょう。
ただし、日本でGoに関する求人はまだまだ少ないというデメリットがあります。今後の需要拡大は期待できますが、習得後すぐに仕事をしたいと考えている場合にはおすすめ度がやや下がります。
【Goでできること】
- Webサーバーの構築
- アプリケーション開発
- CLI(コマンドラインインターフェース)(※1)ツールの作成
- PaaS(※2)
※1:CLIとは、すべての操作をキーボードのみでおこなえるシステムのこと
※2:PaaSとは、アプリケーション開発、デプロイ、実行、管理などをおこなうためのプラットフォーム提供サービスのこと
C#(シーシャープ)
C#は、Microsoftが開発したプログラミング言語です。
主にWindows向けアプリケーション、ゲーム、VR、ARなどの開発で利用されています。求人数も多いため、仕事に繋がる言語を選びたい方には特におすすめです。
【C#でできること】
- Webアプリケーション開発
- デスクトップアプリケーション開発
- スマホアプリ開発
- VR、AR、MR開発
- ゲーム開発
Kotlin(コトリン)
Kotlinは、Androidアプリの開発ができる言語として高い需要があります。Javaとの相互利用もできるため、多く活用され始めています。
ヤフーやLINE、X(旧Twitter)といった大手企業もKotlinを採用していることから、今後のシェア拡大が期待できる将来性の高いプログラミング言語です。
【Kotlinでできること】
- Androidアプリ開発
- Webアプリケーション開発
- バックエンド開発
【仕事別】初心者におすすめのプログラミング言語
初心者におすすめのプログラミング言語を、仕事別に分けて紹介します。
自分が目指す仕事に合わせて、学習する言語を選びましょう。
幅広い開発案件に関わりたい:Java、PHP
開発案件が多く、需要のあるJava、PHPを習得すれば、幅広く開発に関わることができるでしょう。
Java、PHPに関しては新規開発案件だけでなく、既存システムのメンテナンス作業やアップデートの案件も豊富に求人が出されています。
幅広い開発案件に関わりたいなら、万能で、高い需要のあるJavaやPHPを習得するのがおすすめです。
Webアプリケーション開発がしたい:Python、PHP、Ruby
Webアプリケーション開発がしたい方は、Python、PHP、Rubyを習得すると良いでしょう。
Python、PHP、RubyにはWebアプリケーション開発向けのフレームワークや開発ツールが豊富に揃っており、初心者であっても気軽にアプリケーション開発ができます。
短期間の開発に適しているという特性から、多くの開発案件で活用されていることも特徴です。
フロントエンド開発がしたい:JavaScript
フロントエンド開発に興味があるなら、JavaScriptがおすすめです。
JavaScriptはWebアプリケーションやWebサイトにおいてフロントエンド開発の主要な言語であり、ユーザー視点での見やすさ、わかりやすさを向上させるという重要な役割を担っています。
実際の開発案件でもJavaScriptは高い需要があるため、バックエンド専門のプログラマーであってもJavaScriptを習得していることは少なくありません。
JavaScriptはフリーランス求人も多く、将来的に独立を目指す方にもおすすめです。
データ分析やAI・機械学習に携わりたい:Python
近年急速に普及しているAIや、機械学習、データ分析に関わる案件に携わりたいなら、Pythonを習得しましょう。
PythonはAI・機械学習、データ分析に最も適したプログラミング言語であり、習得すれば最先端の技術開発に関わることも可能です。
必要なライブラリやフレームワークも豊富なため、活用すれば高度なAI開発やデータ分析もできるでしょう。今後も長く需要があると予想されるため、将来性を重視して言語を選びたい方におすすめです。
モバイルアプリ開発がしたい:Swift、Kotlin
iPhone、iPad、Androidなどのスマホやタブレット向けのモバイルアプリを開発したいなら、SwiftやKotlinを習得しましょう。
iOS向けアプリケーションならSwift、Android向けアプリケーションならKotlinを選んでください。
モバイルアプリの開発は、業務システムやWebアプリケーション開発とは案件やプログラミング言語の事情が異なる点に注意が必要です。
実際の求人などを見つつ、習得するべき言語を見極めましょう。
ゲーム開発がしたい:C++、C#
ゲーム開発がしたい場合、C++やC#を習得するのがおすすめです。ただし、ゲームプログラマーを目指すならプログラム言語だけではなく、専用ゲームエンジンについても知っておく必要があります。
ゲームエンジンとは、ゲーム開発をする際に必要な基本的なツールや機能を提供するソフトウェアのことで、例えば「Unreal Engine」ならC++、「Unity」ならC#がそれぞれサポートされているプログラミング言語です。
自分が携わりたいゲームのエンジンを知り、対応するプログラミング言語を選んで学びましょう。
プログラミング言語を選ぶ際の4つのポイント
学びやすさ
初心者の場合、学ぼうとしているプログラミング言語が学びやすいものであるかどうかは重要です。
プログラミング学習は挫折しやすい分野であり、学びやすい言語を選べるかどうかで習得の成功率が大きく変わります。
以下のような特徴を持つプログラミング言語を選ぶと、学びやすく挫折しづらいでしょう。
- 文法が理解しやすい
- シンプルな記述
- 日本語の学習コンテンツが充実している
- 近くに質問できる相手(有識者)がいる
- ライブラリが豊富
- 目標とする開発分野で活用されている
案件の数
就職や転職、独立を目指してプログラミング言語を学習するなら、実際の案件数でプログラミング言語を選ぶことも重要です。
案件が豊富であれば、習得後に実際の仕事を受けることができます。
現在、求人数が多いのは以下のプログラミング言語です。
- Java(1,418件)
- PHP(494件)
- JavaScript(406件)
- Ruby(326件)
- Python(261件)
参照:【2024年更新】プログラミング言語別求人案件数ランキング
開発環境
プログラミング言語によって、応用できる開発環境の広さは異なります。
例えば、JavaやC#などはWebサービス、Webアプリケーション開発、スマホアプリ開発など幅広い案件で採用されており、多様な開発環境に応用できます。
逆に、PHPのようにバックエンドに限定されている言語もあるため注意しましょう。
プログラミング初心者で、低難易度の案件から挑戦したいなら汎用性が高いプログラミング言語を習得するのがおすすめです。
ITトレンドとのマッチ度
最新のITトレンドとマッチしたプログラミング言語を選ぶと、将来性も期待できるため習得後の安定が期待できます。
AI、ビッグデータ、クラウドなどは近年特に注目されているITトレンドです。今後の案件増加も期待できるため、Pythonなどの関連するプログラミング言語を習得しておけば案件探しに苦戦することもないでしょう。
プログラミング言語を学習する3つの方法
通信制大学で学ぶ
プログラミングを体系的に学びたいなら、IT系の通信制大学で学ぶ方法がおすすめです。
プログラミングの習得だけではなく、実際の案件に役立つ立ち回りやスキルについても学ぶ機会があるため、卒業後自信を持ってプログラミング関連の仕事に挑戦できることがメリットです。
また、通信制大学によっては卒業後の進路相談などキャリアサポートが充実していることもあるため、確実にプログラマーとして働きたい方にはメリットが多いでしょう。
専門書やWebサイトで学ぶ
専門書や学習用Webサイトを活用し、独学でプログラミングを習得する方法もあります。
独学のメリットは費用を抑えられること、自分のペースで学べることです。
一方、0から学び始める初心者の場合は、参考書選びやモチベーションの維持など、難しいと感じるポイントが多々あるかもしれません。
プログラミングスクールで学ぶ
プログラミングに特化した学習がしたいなら、プログラミングスクールを活用するのもおすすめです。
実践的なカリキュラムが多く、講義を受けつつ実際の案件に近い開発作業を体験しながら学ぶことができます。
通信制大学と同様に、卒業後の進路サポートがある場合もあります。
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まとめ
初心者がプログラミングを学びたいと考えたとき、悩んでしまうのが「どの言語を習得するべきか」ということです。
プログラミング初心者の場合、文法が理解しやすいシンプルな記述、日本語の学習コンテンツが充実している、近くに質問できる相手(有識者)がいる、ライブラリが豊富、目標とする開発分野で活用されているというポイントを抑えて選ぶと良いでしょう。
また、本記事で紹介した初心者向けのプログラミング言語から、やりたい仕事に合わせて選ぶのも一つの手です。
プログラミング学習は挫折してしまう方も多く、モチベーション維持などが難しいと言われています。
一人での学習が不安な方は独学ではなく、通信制大学やプログラミングスクールなどの学習機関で学ぶのがおすすめです。
自分に合ったプログラミング言語や学び方を選び、プログラマーとして活躍できる人材を目指しましょう!